薄雪草 さんの感想・評価
4.5
物語 : 4.0
作画 : 4.5
声優 : 4.5
音楽 : 5.0
キャラ : 4.5
状態:観終わった
久美子’s Vision.( & 奏’s )
「1年生の指導係 」。それが私の役割。
部長と副部長の、直々のチューニングだ。
にしても「黄前相談所」ってナンダロウ。
もしかして、誰かがラッパを吹いている?
これじゃ手引きをしてるんだか、手ほどきを受けてるんだか分からないよ、ね。
それはともかく、スマホはつくづく偉大だ。
顔や名前はもちろん、交友関係も丸撮りだ。
子細こもごも、掌にすっぽり入ってしまう。
恐るべし!加部ちゃん先輩。
畏るべき!人心術に鷲掴みです。
おどけあうシーンでこそ、アイコンをタップ。
ちょっと気になる子には、ズームイン。
ここぞという時には、アウトリーチ。
画面のそこここに、去年の私たちが映っている。
その瞳には、不安、努力、勇気、期待が見て取れる。
全国大会出場は、決して伊達じゃない。
学年も、再入部も、夢が追えるのならオールオッケーだ。
~ ~ ~ ~ ~
百忍千鍛、迷悟一如。
うわべを取り繕っているうちは、いつまで経ってもストレングスは発揮できない。
掘り下げて琴線に触れなければ、埋もれているクラリティーは引っ張りだせない。
日々の練習の明け暮れ。
たわいないお喋りや何気ない振る舞いにも、心を寄せていこう。
刻々の悩みや躓き。
個々にも、グループにも、全体にも、厭わずに身体を運んでいこう。
今やるべきこと。
求められているのは、そういうことだ。
まずは、私が動くんだ。
~ ~ ~ ~ ~
音楽理論の理解と演奏技術の習熟は、部活動の絶対条件だ。
だけどもっと大切なことがある。
辞めさせないこと、諦めさせないこと、頑張り続けさせることだ。
気遣ってあげること、受け止めてあげること、認めてあげることだ。
一人ひとりの事情に寄り添い、一人ひとりの心情を汲みあげることだ。
全部ひっくるめて、北宇治を選んだことを絶対に後悔させないことだ。
何のことはない。
全部、私の身の上に起きたことだ。
麗奈と香織先輩のオーディションに。
みぞれ先輩、希美先輩、優子先輩、夏紀先輩。
それぞれの振る舞いに。
葵ちゃんの選択に。
お姉ちゃんの悔恨に。
あすか先輩との二人きりに。
心のたけを打ち明け
体いっぱいに受け止め
絆を結びあってきたんだ。
今でも鮮明に、あの一言一句をプレイバックできる。
~ ~ ~ ~ ~
練習は、嘘をつかないし、つかせない。
練習を超える演奏は、ステージでは騙せない。
練習に満たない演奏は、どこかに作為がある。
そうじゃないんだ。練習は。
青春を12分に凝縮していく挑戦。
みんなの覚悟を突きつけあう闘いなんだ。
~ ~ ~ ~ ~
1年生が奏でるメロディーを、私は真正面から聴く。
けだし、覚悟の揺らぎにも耳を澄ませるということだろう。
目指すところは、去年の到達のその先にある。
次のコーナーは、今日の悔しさのその向こうにある。
ポテンシャルは未知数で、ゼロからだって始められる。
私にできることは、夢にかけるモチベーションを伝えることだけだ。
それは、たぶん、言葉なんかじゃない。
うまくなりたい。
それだけなんだ。
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奏ちゃん。
来春のチューニングは、OK?
とっくにロックオン完了です!
フレームの真ん中に " 全国金賞のトロフィー " を写しますよ!
{netabare}黄前久美子新部長!! {/netabare}