waon.n さんの感想・評価
4.3
物語 : 5.0
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.5
状態:観終わった
(´;ω;`)ブワッ
父と子の物語。
いいえ、児玉です。小島だよ!それはよしおだよ!
時事ネタからのスタートですが、仕事中ラジオを聞いていて、渡部の代わりに児嶋がラジオで話しているのを聞いて、頑張ってるなーなんてハナクソ食べながら聞いてたわけです。
んでもその拙さったらもう可愛く感じる位で子供を見守る父のような思いに駆られてしまっていました。児嶋さんからしたらふざけんなってはなしですけれどね(笑)
そんな児嶋さんはどちらかと言えばコンビでありながら、脇役的な扱いを受けてきたかもしれません。でも、今回のこの「かくしごと」を観て考えが変わりました。
名作に名脇役あり。だと。
つまりこの作品を縁の下の力持ちばりにどこにでも現れて物語をしっちゃかめっちゃか動かしまくる。それが不自然でも意に介さずにその存在が飄々としていればしているほど、不自然を超越した存在へと昇華されていく。
その名も
「十丸院五月」今変換して気が付いたけれど、トマル インサツキ 「印刷機止まる」だったのだ。驚愕のネーミングセンス。とか思ったらちゃんと公式に載ってたのでちょっとシュンとなってます。
彼のキャラクター性は正直なるべく綺麗な言葉で書いてみると「クソ野郎」ですね。全く空気を読まない、人の考えを汲みとれない、悪気なんて感じない。
良く言えば素直で、悪く言えば自分勝手。打算的で自分が良ければ他人がどうなろうと基本的には気にしない。気にしても方向性が間違ってる。
およそ人なのか、と疑いたくなるレベル。
しかし、この人物の使い方が本当に上手いので、最高の愛すべきクソ野郎として次世代まで語り継がれるだろう、というほどでもないか。
彼の功績はまず、物語を動かす役割を担っている所。全体の流れを加速させたり遅くさせたりそのキャラクター同様に自由自在だ。全体の流れを変えるのは脇役の仕事ではないので注意が必要。
次に、物語に明るさをもたらす存在だったこと。やってることはイライラさせるだけなのだけれど、どんな状況でもギャグに持っていける柔軟さが彼にはある。
このキャラクターの使い方が上手すぎて原作、脚本の良さが光ってました。
じゃあ、そのまま構成の話も書いていきたい。
1本の話の中にオチのある話が1つか2つか3つくらいで構成されている。ほとんどは姫の小学校4年生時点お話になっている。
しかし、アバンやCパートで語られているのは、メインの話の数年後、姫がもう18歳の高校生で絶賛大人の階段を上がっている最中。
なぜ、その場面が描かれているのか、大人になった時代には何が起こっていて何が隠されているのか。
視聴者は毎回このパートを観るのがツラく思われる。
そこには不穏な空気と最終話までオブラートに包まれた、十丸院やアシスタントの皆の会話によってゆっくりと視聴者に見せていく。
私たちはその少しづつ見せられる「かくしごと」の全貌を知りたくて次の週までドギマギさせられるのだ。
この構成のやり方はクリフハンガーっていう手法だけれど、いやぁ見たくないとも思わせる。けど続きが気になるからやっぱり見たい! という情緒不安定にさせてくる。
この構成の妙が最終話に集約され、今期では一番胸にザクザク刺さりボロボロ泣いていた。
高橋李依は本当に一気に人気声優になったし、ここ数年だものね。本当にスゴイな。ただ、敢えて言おう。まだまだこれからだと。
神谷さんも相変わらずの神谷さんだったし、それで良いと思う。あれを求められているんだからこれで良い。
十丸院の花江さんは一番のハマり役だったのではと言うと怒られそうだけれど、本当に好きなキャラになりました。ありがとうございます。
声優のネタを少し続けると、小澤亜李と本渡楓のアイムコンビで登場したのもクレジット観て気づいた時なんか嬉しくなったのは秘密。
というか、地味に脇役の声優豪華でしたね。
いくつもの「かくしごと」が重なり合う原作のネタづくりの良さもあるけれど、シリーズ構成や脚本の良さがちゃんとアニメ化されても大事な部分をしっかり描けていたのだと思う。
本当に綺麗に終わったし、感動した最終回だった。
その一番の立役者が十丸院だという考えてに至ってしまった自分に対してバカ野郎あいつがそんな活躍するわけねーだろ! とツッコミを入れられそうだ。
EDにあてられてビールを飲みたくなるそんなアニメでした。
(まとめがこれでいいのか…)