Ka-ZZ(★) さんの感想・評価
4.0
物語 : 4.0
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
物語の舞台は神殿へ 本好きのためのビブリア・ファンタジー、新章開幕!
この作品の原作は未読ですが、TVアニメ第1期は視聴済です。
物語の内容に繋がりがあるので、第1期未視聴の方はそちらからの視聴をお勧めします。
本のためなら巫女になる!
「三度の飯より本が好き」な女子大生・本須麗乃が兵士の娘・マインとして転生した世界には、本がなかった。
平民は識字率が低く、羊皮紙で作る本は高価でお貴族様のもの。
そこでマインは決意する。
「本がなければ作ればいい!」
試行錯誤の末、商人のベンノと出会い、商人見習いになるために植物の紙を完成させるが、マインの体は「身食いの熱」に蝕まれていた。
貴族が魔力を持つこの世界で、時に魔力を宿して生まれる平民がいる。それが「身食い」。増え続ける魔力を吸い取る魔術具がなければ、生き長らえることはできない。
そんな時、洗礼式で神殿の図書室を発見したマインは、巫女見習いになりたいと神殿長に直談判する。すったもんだの末、マインは魔力を奉納する青色巫女見習となることが決まった。
しかし、本来、貴族に与えられる「青の衣」を平民上がりのマインが纏うことを快く思っていない者も多く、マインの行く手は前途多難。
問題児ばかりの側仕え、神殿の階級社会……。
麗乃時代とも下町時代とも異なる神殿の常識がマインの前に立ちはだかる。果たして、マインが心ゆくまで読書できる日は来るのか!?
そして、マインは本を作ることができるのか!?
公式HPのINTRODUCTIONを引用させて頂きました。
なろう系の異世界ファンタジー作品は山の様に存在しますが、こちらの作品は明らかに異質で一線を画しています。
深夜アニメとして放送されているのが少し勿体無く思える位の良作なのではないでしょうか。
ヒーローになって悪に捕われたお姫様を助けに行く…
或いは、異世界に転生したけど実力は最弱…だけど持ち前の機転とほんのちょっとの度胸で局面を切り開くなど、これらはきっとロマンなんだと思います。
その点、この作品が取り扱っているテーマは「モノづくりのよろこび」なんですよね。
第1期の時は異質で珍しい作品という意識が先行しましたが、第2期ではもうその様なことはありません。
しっかり物語を堪能させて貰いました。
マインがやってきた神殿には、2通りの人間がいました。
「恵み施すモノ」と「その恩恵を受けるモノ」です。
マインは本作りの過程の一環としか思っていないのかもしれませんが、2通りの人間の枠を撤廃し、労働に見合った対価の要求できる環境の創出が、今回の何よりの功績だと思います。
物語の中でもマインは言っていました。
「働かざるもの食うべからず」と…
これは世の理と合致しているだけではありません。
私は滅びや破綻を阻止できる唯一無二の対抗策だと思っています。
施しのルーチンが回っている間は問題無いと思います。
ですが、未来永劫そのルーチンが回る保証はどこにも無いんです。
もしそのルーチンが回らなくなったら、どちらも共倒れ…滅びゆく道しか残されません。
万が一そのルーチンが回らなくなったとしてもヒトは生きていかなければなりません。
だから生きていくために私たちは働いているんです。
文字にしたら何て当たり前のことを…と思いますが、
転生したマインの世界では、そんな当たり前すら無かったんですから…
孤児院の子供たち、見違えるように明るくなりました。
日々を無駄に過ごさず、自らのやるべき事を見い出し実践することで、自らの存在意義を感じているからなのではないでしょうか。
ここで生み出された本は成果物の一つに過ぎません。
マインは無限の可能性を手に入れたと言っても良いと思います。
そう考えると今後の展開が楽しみで仕方ありません。
それとレビューを書きながら気付いたことが1点あります。
この作品のwikiはネタバレ宝庫であるということです。
原作は完結しているので仕方ないのですが、注意してスクロールしないと、とんでもないネタバレを喰らう可能性があるので留意下さい^^;
オープニングテーマは、諸星すみれさんの「つむじかぜ」
エンディングテーマは、鈴木みのりさんの「エフェメラをあつめて」
オープニングはすみれちゃんが第1期から続投でしたね。
エンディングはマクロス繋がりですか…堪りませんね^^
1クール全12話の物語でした。
今回の終わり方だと、普通に続編が制作されてもおかしくなさそうなんですけど…
これからの展開も相当荒れそうな予感がします。
そして続編を期待しているのは、きっと私だけじゃ無い筈です。
続編の制作、宜しくお願いしますね!