Ka-ZZ(★) さんの感想・評価
4.1
物語 : 4.0
作画 : 4.0
声優 : 4.5
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
箱入りお嬢様の画家修業
この作品の原作は未読ですが、主人公のアルテをみかこしが演じると知り、視聴を楽しみにしていた作品です。
舞台は16世紀初頭イタリア・フィレンツェ。
絵画や彫刻などの芸術が盛んなルネサンス発祥の地。
そんな活気ある華やかなる時代に、貴族の娘として生まれたアルテは、物心ついた頃から絵を描くことに夢中となった。
しかし女性がひとりで生きていくことに理解がない時代、好きなことをまともにすることも許されなかった。
結婚してまともな生活をしてほしいと願う母親に反発し、アルテは画家になるべく工房への弟子入りを志願する。
同じ後悔なら自分の望むことをして後悔したい―
時代の流れに抗って、画家になる道を選んだ少女・アルテの物語が始まる。
公式HPのINTRODUCTIONを引用させて頂きました。
自分の殻を打ち破る…しがらみを断ち切る…
言葉にするのは簡単ですが、実践するのは大変な困難が付き纏います。
それに何もかもをリセットしてゼロから始めることだって並大抵のことではありません。
ただ「好き」というだけでは乗り越えられない壁がここにあるんだと思います。
壁にぶつかり、躊躇して、例え引き返したとしても誰も責めることはできません。
でもこれは、アルテが壁を乗り越えてからの物語なんです。
思えばアルテの乗り越えた壁も相当険しかったと思います。
だって普通なら絶対到達し得ない課題だったんですから…
ここでの普通は、その道を共に歩む同朋、或いはその道のプロを指します。
所謂無理難題というヤツでしょうか…
ですが、アルテはその課題をものの見事にクリアしちゃうんです。
私は彼女の並々ならぬ決意と絵画に懸ける情熱を目の当たりにした気がしました。
厚生労働省から通達が出される前、世の中には今で言うブラック企業が沢山あったと思います。
確かに休日出勤の連続や山の様な残業に辟易したこともありましたが、そこで踏ん張れたのは産みの苦しみの先にある喜びを知っているから…
苦しんだモノにしか到達しえない高みから見る景色の素晴らしさを知っているから…
思えば苦しみの過程でしっかり技術も身に付いたと思いますし、今の自分が存在するのは当時の経験の賜物と言っても過言ではありません。
そんな自分の分かりし頃とアルテが重なって見えたからでしょうか…
もう手放しでアルテを応援しながら視聴していましたよ^^;
迷って立ち止まることも、回り道をする事だって自分の糧になるんです。
全力全開で絵に向き合うアルテ…最高に格好良かったのではないでしょうか。
特に印象に残ったのは2つ…
1つ目は目標に向かって邁進する際、目標に対して不必要なモノを徹底的に排除する必要性です。
物語の中ではヴェロニカの昔の同僚の話として描かれていましたが、これには私も同意見です。
本気で頑張らなきゃいけない時、よそ見をしていちゃ100%の実力が発揮出来ないんですよね。
もう1つは、アルテの成長の影日向として活躍していたカタリーナの存在です。
M・A・Oさんの演技と相まって目が離せないキャラでしたね。
歩みよるのに時間は掛かりましたが、共通項がお互いを引き寄せる展開は堪りませんでしたよ。
気になる方は是非本編でご確認頂ければと思います。
オープニングテーマは、坂本真綾さんの「クローバー」
エンディングテーマは、きよのんの「晴れ模様」
どちらも作風にマッチした良曲だったと思います。
1クール全12話の物語でした。
完走したばかりですが、もう続きが気になって仕方ありません。
原作は現時点で既刊13巻だそうです。
もし続編が制作されるなら是非視聴したいと思います。