ふぁんた さんの感想・評価
4.3
物語 : 4.0
作画 : 5.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.5
キャラ : 4.0
状態:観終わった
雨のち洪水時々晴れ
二匹目のどぜうを新海監督は捕らえることができたのか。
前作の正統後継作品を制作してしっかり着地できた印象です。
物語のスケール感もとても感じますし、
キャラがよく動いてよく物語を動かしてくれます。
宮崎作品にあるような目を見張るアニメーション演出も随所に盛り込まれ、
大ヒットの前作を越えようという意気込みを感じることができました。
例えば千尋が外通路を伝って行く時、
大袈裟に通路が落ちていって、ギリギリで辿り着く演出。
AからBに行く数秒だけなのに、そこに冒険と危険を織り交ぜて視聴者に
彼女はとてつもない勇気を振り絞って行動していると共感させます。
洪水後に須賀が事務所の窓を開けるシーン。
普通だったら、地下で外に水が溜まっているので窓を開けないのに
わざわざ開けさせて水があふれる表現をしたり、
終盤ほだかが外階段を登るシーン、
細かな表現をすごく丁寧に演出していて
アニメーションとしての面白さにつながっていると思います。
RADWIMPSの楽曲も素晴らしかったです。
宮崎アニメの久石氏同様に、RADの曲は新海監督作品にピッタリハマりますね。
本作も王道のボーイミーツガールで、ほだかの最後の決断はすごくよかったです。
秒速の頃の監督であれば、ただ年月が経ってしまうとか、
そんな結末をしそうですよね。
新海監督にはキリよく王道三部作になるように、もう一作王道系を制作してもらって、
その後はまた好きなように性癖を前面に出した作品を制作して欲しいですね。