rat さんの感想・評価
3.5
物語 : 4.0
作画 : 4.0
声優 : 3.0
音楽 : 4.0
キャラ : 2.5
状態:観終わった
ガンダム入門編としてちょうどいい作品
この物語は、第1世代「フリット編」、フリットの息子アセムが主人公の「アセム編」、アセムの息子キオが主人公の「キオ編」、最後の「3世代編」に別れている。フリット編で若く出てきたキャラクターがアセム編では歳をとって貫禄が出ていたりと、主人公が変わる物語ならではの楽しみ方も面白い。
フリット
彼はこの3人の主人公の中で1番魅力的だったと私は思う。親を殺しコロニーを破壊したヴェイガンに復讐を誓い、相手側の事情や想いを知っても「ヴェイガンを皆殺しにする」という信念を貫いた。ガンダムを開発したのは彼なので、自身がパイロットになるのも納得できる。
アセム
親の七光りでガンダムに乗せてもらっているのに、独断専行が多い。フリットやゼハートと比べられ落ち込む、という点では自分に自信がないようで、1番等身大なのは彼なのかもしれない。少年漫画としてなら盛り上がるようなシーンが多かったのかもしれないが、ウルフの指示を無視し、彼を死なせる原因を作ったアセムを許すことは出来ない。
キオ
祖父の七光りでガンダムに乗っているのはアセムと同じだが、キオはXラウンダーとしての能力が非常に優れている。殺したくない、という戦場では甘すぎる考えを持っており、彼の言動や行動に腹立たしい気持ちを持ったのは1度や2度ではない。敵を殺さなければ、キオは強いから死なないかもしれないが、味方が死ぬのだ。
3世代編
和解という形で終えたのは、子供向けなら良かったのだろうなと思う。
私は個人的にはフリットに最後の場面で撃って欲しかった。フリットが信念を曲げるところが見たくなかったからだ。しかもその理由がユリンなのも、勝ちヒロインのはずのエミリーを蔑ろにしすぎだ。
キオの甘い考えにはイライラしたが、最後にゼラギンスが出てきた際だけは彼の甘さに救われた。ゼラギンスは、ヴェイガンが勝つために作られたクローンなのに、初陣で暴走したから殺されるなんてあまりに可哀想だ。仲間であるヴェイガンの兵士たちからすら撃たれ始めた時は、キオのように「やめて…やめて…」という声が自分から漏れた。
だから、彼の命を助けたキオに私も救われたのだ。
長くなってしまったが、良い作品だったと思う。1番好きなキャラはセリックアビスだ。