「かくしごと(TVアニメ動画)」

総合得点
85.9
感想・評価
779
棚に入れた
3016
ランキング
221
★★★★☆ 3.9 (779)
物語
3.9
作画
3.8
声優
3.9
音楽
3.9
キャラ
3.9

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ネタバレ

STONE さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0
物語 : 4.5 作画 : 3.5 声優 : 4.0 音楽 : 3.5 キャラ : 4.5 状態:観終わった

ギャグコメディとハートフルストーリーとシリアスミステリーと

 原作は未読。
 ギャグコメディものとストーリーものとのバランスが良く、いずれの要素も出来が良い。
 ギャグコメディの方は原作者の久米田 康治らしいブラックな要素が多々のもの。
 本作は漫画業界が主舞台となっているだけに今までの久米田作品以上に「作者の実体験か?」と
思わせるような感が強い。
 こういったネタ的なものだけでなくキャラの勘違いなどによるシチュエーションコメディ要素や
久米田氏お得意の言葉遊び的面白さもある。
 言葉遊びと言えば、後藤 姫のモノローグにあるタイトルの「かくしごと」が「隠し事」と
「描く仕事」に掛けられており、更に終盤になると「隠し子と」という要素も。もっともこれは
ミスリード的な狙いだったようだが。
 加えてサブタイトルも既出漫画作品のパロディであり、こちらも言葉遊びとしてはなかなか
面白い。

 ストーリーものとしては、話の大半を締める後藤 姫の小学生時代での、父の可久士との
ハートフルストーリーも良いが、Cパートとも言える各話終盤で描かれる姫の高校時代の不穏な
雰囲気が、「一体、何があったんだ?」という気にさせて飽きさせない。
 元々小学生時代から幾らかの謎があった後藤家だが、話が進むに連れて高校時代を主体に
色々なことが明るみになっていく展開はミステリー的面白さがある。
 最終話で判明する真相から見ると、それまでのヒント的な色々は本当にヒントだったものも
あれば、ミスリード的なものもあり。
 いずれにしてもハッピーエンドで終わって良かったし、12話でうまくまとめられているところも
良い。
 ストーリーものとしては可久士と姫の親子だけで済んでしまう感もあったが、
コメディ要素としては他のキャラはかなりいい味を出している。

 毒のあるギャグに、鬱的要素のあるストーリーでも、全体に漂うのはほんわかした
空気感なのは、基本的にキャラが優しい人達であることと、ポップ感のある絵のタッチが
大きいように思える。
 むしろギャグの毒性などは姫の小学生時代描写の甘い空気感においては良いスパイスに
なっていたとも言えそう。

 ED曲が大滝 詠一の「君は天然色」という1981年の曲だったのは少々驚いた。それに
合わせてか、映像も80年代っぽい雰囲気。
 とは言え、「君は天然色」収録の「A LONG VACATION」のジャケットイラストが
永井 博だったのに対して、本作の映像は鈴木 英人、わたせ せいぞうの方が近い感があったけど。

2020/06/25
2021/11/15 加筆修正

投稿 : 2021/11/15
閲覧 : 289
サンキュー:

10

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