シャベール大佐 さんの感想・評価
4.4
物語 : 4.5
作画 : 4.5
声優 : 4.5
音楽 : 4.0
キャラ : 4.5
状態:観終わった
安定して笑えて、ときどきほろっとさせられる、かなり出来の良いハートフルコメディ
下ネタギャグ漫画家・後藤可久士と、その一人娘・姫の日常を描くハートフルコメディ。全12話。
姫を溺愛している可久士は、下品な漫画を描いていることを知られないように隠しているという設定。基本はコメディですが、それがときどき、ほろっとさせられるような温かいお話に繋がっていく作風です。
笑いのタイプ的には、漫画家あるあるや、勘違いを発端にしたコントのような展開が中心。全体的に、わかりやすいネタ振りがあってオチがあるという「型」がしっかりしていた印象で、高いレベルで安定して笑えました。また、くだらない内容であっても、物語の根本には可久士の姫への愛情があるので、観ていて気持ちが良かったです。
一方、各話で小出しに描かれる、高校生になった姫の場面からは、なにか悲しい予感が伝わってきて、作品全体としても結末への興味が高まるような作りになっていました。ただ、実際に最終回を観た感想としては、それなりに纏まっていたけれど、大きな感動には至らなかったかな、といったところ。1話から11話まで仄めかしを積み上げた結果、ちょっと期待のハードルが上がりすぎていたかもしれません。それでも全体を通してみると、十分に満足できる良い内容だったと思います。
作画は非常に綺麗。特に風景の色使いはとても爽やかで、絵自体に魅力がありました。音楽は、OP、EDとも、映像との相性も含めて、なかなか良かったです。声は、主役の神谷浩史が好演。キャラは、可久士と姫、どちらも互いを思いやる心が素敵ですし、また、女性が総じてかわいかったです。
最後まで観終わって、物語、作画、声、音楽など、総合的に出来の良い作品でした。個人的には、春アニメのなかでもトップクラスに面白かったです。