oneandonly さんの感想・評価
3.6
物語 : 4.0
作画 : 4.0
声優 : 3.0
音楽 : 3.5
キャラ : 3.5
状態:観終わった
シングルファーザーの娘愛を設定色強めに描いた作品
世界観:6
ストーリー:7
リアリティ:4
キャラクター:6
情感:6
合計:29
<あらすじ>
ちょっと下品な漫画を描いてる漫画家の後藤可久士。
一人娘の小学4年生の姫。
可久士は、何においても、愛娘・姫が最優先。
親バカ・可久士が娘・姫に知られたくないこと。
それは……
自分の仕事が『漫画家』であること。
自分の“かくしごと”が知られたら娘に嫌われるのでは!?
“愛と笑い、ちょっと感動のファミリー劇場がはじまる―”
(公式サイトより)
2020年春期のアニメが終わる中、レビュー点数が比較的高め多数と思われたので視聴したのが経緯です。
3話終了時点の評価点は3.3。評価が停滞した理由はギャグが合わなかったのが最も大きな要因と思われます。本作はギャグシーンが多いのですが、リアリティを勘案するとそもそも起こり得ないと思ってしまうことばかりであり、笑うよりもそれが気になってしまうというのがパターンでした。
例えば、{netabare}姫が仕事場に来てしまった時のことを想定した避難訓練とか(周囲が協力せんわ!)。料理教室の先生、お花屋さん、娘の担任の先生、アイドル志願少女がハーレムを形成し、姫の運動会にまで来たりするとか。
キャラでは、担当編集の十丸院が、真面目な審査結果の文末に「(笑)」を追記するという悪鬼の所業を天然無礼さで行ってしまえる逸材でした。このキャラ周辺のギャグは面白かった。
その一方で、OPの可久士と姫の成長していく姿の最後に可久士がいなくなっていることや、何度も出てくる姫が父親の秘密を発見する前の家のシーンから、可久士が死んでいる可能性もちらつき、最終話まで興味を持って見ることができました。
タイトルの「かくしごと」、「隠し事」「描く仕事」とが重なっていることはすぐわかりましたが、「可久士ごと」と「姫ごと」(秘め事)と更に重なっていたとは、恐れ入りました。
また、1話ごとのサブタイトルは、他の作品名を少し変えているよう。残念記念組は3年奇面組ですかね(懐かしすぎる!)。
姫に用意されていた年齢ごとの箱。VEGの神回を思い出してしまいましたが、海難事故で行方不明になってしまったことがわかると、その用意周到さにやや違和感がありました。広い家なら収納スペースが大きいからできなくはないし、そういうことを行える親が全くいないとも言えないのでしょうが。
また、最終盤のストーリー、可久士が死んでおらず、ひめごとに繋がるまとめ方が光った一方、成長した姫を認識できず(これはおかしいと思う)、アシスタントらが病室で漫画作業を描くのに付き合う展開は過剰で、やや形にこだわりすぎた印象もありました。
{/netabare}
それでも、全体を通して、娘を想う父の気持ちがよく描けていて、娘もひねくれず真っ直ぐに育っており、そんな親子2人の平凡な日常は、それ自体が幸せであると納得させられました。日常系に苦手意識がなければ、視聴して損はないでしょう。
(参考評価:3話65555=3.3→4話3.4→6話3.5→10~12話3.6)
(視聴2020.6)