「かくしごと(TVアニメ動画)」

総合得点
85.9
感想・評価
780
棚に入れた
3019
ランキング
222
★★★★☆ 3.9 (780)
物語
3.9
作画
3.8
声優
3.9
音楽
3.9
キャラ
3.9

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ゲリオ さんの感想・評価

★★★★★ 4.3
物語 : 4.0 作画 : 4.5 声優 : 4.0 音楽 : 5.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

すごく綺麗なアニメでしたが

ハズレの無い久米田作品。
今作も終始綺麗で清らかなアニメに仕上がっていた。
(言うて自分は久米田先生の漫画数作しか見たことないけど)
作画・演出も原作者の雰囲気を完全に再現するハイクオリティな出来映えだった。
ただ、あまりに綺麗すぎて何か物足りない気がしたので判定としては名作一歩手前くらいに留めておく。

お話の内容は下ネタ漫画家の後藤可久士が、娘の姫ちゃんに職業を隠しながら日々を過ごすギャグコメディ。
タイトルの"かくしごと"は「描く仕事」と「隠し事」を掛けてるセンスよ。
基本的には娘が10歳前後の過去編がメインとして描かれ、各話の最後に18歳になった姫の未来編が少しづつ描写されるスタイルの構成だった。
未来編では父親の後藤先生の姿が消え不穏な雰囲気が醸し出されていた。
8年の歳月の間に先生の身に何が起きてしまったのか…最終話までいいようにジラされヤキモキさせられたわ。

なお最終話において未来編の伏線が全て回収されてるのでストーリー的には見事、1クールのアニメ枠内で完結させている。
第11話まで視聴した時点ではてっきり結末は原作で(もしくは2期で)ってオチかと思っていたのに、これはまさかの嬉しい誤算である。
詳しい内容はネタバレ回避のため伏せるけど、最終話の非常に秀逸なシナリオだった。
終わりよければすべて良しというが今作もまさにそんな感じ。
視聴直後は圧倒的名作判定で良いかな~と思ったほどだけども…

うん。確かに出来も内容も文句なかったんだけど、やっぱり初回~11話まで随分のんびりギャグやってきたのに、最終話で猛烈な伏線回収をやられたので若干、というかかなり駆け足に感じてしまった違和感はある。
せめて2話分使って未来編を収束させていただきたかった気がする。
原作漫画はアニメに続けてほぼ同時に完結を迎える形となるので、原作の方は長く連載をしてきた分尺があるのでじっくりと結末を描けていたのかもしれない。(自分は今のところ原作未読なので分からないが)
それにしても原作とアニメが同時に終われるって、作品として本当に理想的な綺麗な〆かただよなぁ~。

漫画家あるある等のコメディパートは爆笑というほどではないが、くすりと笑える具合の心地良さだった。
そして10歳の姫ちゃんはこんな子いないってくらい良い子かつ可愛く描かれていて、本作をハートフルアニメたらしめる要因になっていた。
その他キャラでは編集の十丸院が終始ウザいキャラに仕立てられていたが、物語をかき回すトラブルメーカーとして機能してたし意外にヒドい目に遭ってたりするので、作品を面白くする起爆剤の役割を果たせていたね。
エンディングは某ビールのCMでもお馴染みの40年前の名曲「君は天然色」をそのまま採用していて、毎週視聴後にノスタルジックな気持ちにさせられた。

以上、冒頭に書いたようにともかく綺麗なアニメだったという印象に終始する。
内容も、作画も、エンディングテーマも、物語の結末も、何もかも。
ならば何故"名作"ではなく"名作一歩手前"にしてしまったのかと言えば、やっぱり綺麗すぎて我々ネット民がネタにするような事柄が皆無だったのが残念というか何と言うか…
つまり今一つ話題にしにくい作品だったってことが唯一のマイナスポイントかな。
一方でアニオタ以外の一般層にもお勧めできる清い作風だったのは大変なプラスポイントではあるけれど。
いずれにしろ本当に出来の良い作品だったことは間違いないので、久米田先生とアニメスタッフには心より感謝と敬意の念を表するところ。

投稿 : 2020/06/24
閲覧 : 298
サンキュー:

14

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