STONE さんの感想・評価
3.9
物語 : 3.5
作画 : 3.5
声優 : 4.5
音楽 : 3.5
キャラ : 4.5
状態:観終わった
見た目は異色感が強いが、ストーリーは王道な感が。
原作は未読。
テレビ放映時は未視聴でしたが、最近配信サービスで「無限の住人-IMMORTAL-」を視聴して、
その勢いで本作を視聴。そのために制作順と視聴順が逆だったりします。
まず見た目は色々とインパクト大で、まずエログロが多め。
実写の時代劇に比べて、漫画やアニメのそれはキャラ立てやバラエティさ重視ゆえか、日本刀
以外の武器を使用したり、妙な扮装をした者が多かったりするが、本作もご多分に漏れず。
むしろ他作品以上にそういったキャラが多い印象。
他作品だと主役ぐらいはオーソドックスに日本刀を持ったりするが、本作の主人公の万次は
奇抜な武器をかなり所持しており、ある意味邪道的な主人公の印象。
この万次が不死であることが一番のインパクトだったりするが、こんな体だと戦闘において
チートになってしまいそうなところを、戦闘能力それ自体は絶対的に強いわけではないことで
うまくバランスを取っていたように思えた。
特に逸刀流との戦いにおいては常に苦戦していたような印象があったが、これ自体は逸刀流の
中でも上位の存在と当たっていたためにそう映ってしまったように思える。
主人公が個で、組織としての敵と戦うストーリーの場合、序盤は下位の存在が相手で、話が
進むに連れてより強者が相手となる展開が多い中、本作のようなパターンは結構珍しいのでは?
見た目こそインパクト大だが、ストーリー展開は両親を逸刀流に殺された浅野 凜の復讐譚とも
言うべきもので、仇討ちという時代劇の中でも定番ものの一つ。
作中では復讐そのものの大義や肯否を問うような展開があり、凜も悩むこと多々。
こういったテーマは他作品でも色々と描かれていたりするが、復讐という行為を観たり
読んだりする時、理不尽な殺され方をした身内の復讐は認めて、殺される側に問題があった場合の
復讐は否定的に見てしまう。しかし、身内を殺された者の感情が復讐という行為を生むことで
あるなら、「殺された側に問題があろうが復讐心を消すことはできないだろうな」と改めて
思ってしまった。
こうなると復讐の連鎖は避けがたい問題となり、近代司法が復讐を否定する方向に
動いているのも納得。
ストーリー的には「無限の住人-IMMORTAL-」と被っているところ多々だが、本作の方が
ていねいに描かれており、「無限の住人-IMMORTAL-」でははしょられたために判りにくかった
部分も、本作では判りやすかったりする。
その分、テンポは遅いわけで、更に本作は1クール作品ということもあって、これから各陣営が
動き出すというところで終わってしまった感じ。
シリアスな戦闘シーンに挟み込まれたユーモアがいい味を出していた感があった。
2020/06/22