kurosuke40 さんの感想・評価
3.9
物語 : 3.5
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
タイトルなし
17話「Where does this road lead to?」は素晴らしい回でした。
会社の方針で、自分の進みたい道とは違う方向に進められる美嘉。
大人っぽい仕事にあこがれるが、仕事で幼稚園の服を着せられる莉嘉。
妹が生まれて居場所を見つけられない みりあ。
三者がお互いに影響し合い、それぞれの答えに向かっていく。
みりあは同じ姉である美嘉を通じて、姉としての位置づけを知り、
そのうえで、美嘉に対して姉や母のように振る舞うことを通して、姉になっていく。
みりあが番組の2度目の自己紹介で「姉になった」と報告するのがとても印象的で、
元々法的には既にみりあは姉だったわけですが、
彼女自身が自分の位置を姉だと位置づけれたのは、美嘉との出来事や母親を手伝い、褒められたことに起因するのです。
宗教的な例えになってしまいますが、信仰が最初からあるわけではなく、跪けば信仰が生まれるのです。
みりあは最初から姉だったわけではなく、どうなって主観的に姉になるか、というのが見事に描かれていました。
この三者の中で一番年上の美嘉は、大人の都合の名のもとに、自分の欲望を閉ざそうとしてしまっていましたが、
みりあの、予想だにしていない質問に、ふと心が動いてしまい、涙を見せてしまう。
莉嘉は聡い杏やきらりから発想を受け、求められた要求の中で、自分を出していく答えに至り、
さらに莉嘉から美嘉に伝播していき、美嘉も要求の範囲内で足掻くことに至る。
美嘉、莉嘉、みりあのキャラクター性をそのままに、1話でこの三者を描いたのは見事な構成力だと思います。