esso-neo さんの感想・評価
4.8
物語 : 5.0
作画 : 5.0
声優 : 5.0
音楽 : 4.0
キャラ : 5.0
状態:観終わった
ERのごときラジオを舞台にしたドラマなのか
数々の人間社会や関係において珍妙なるものをピックアップしていこうとする、耳を澄ませば聞こえるノイズ「ラジオ」。
実は決して古めかしいままに終わらず、日々それは原始的で単純なために生き残りやすい。レボリューションでも言ってたな、単純な生き物ほど強いって。
しかし、最終回に採用されたのは「地震」。それはアニメ、漫画であろうとなかろうと間違いなく俺たち日本人にトラウマ的に、あるいは神様のように切り離せない日常的非日常だった。
そうなるとラジオにおいては一つの意地が発揮される。
「何があっても電波を止めるな」
かくして大地が揺れようものならエンタメなるものを脱ぎ捨て、人のなんらかの力になるノイズになろうとしている。小林幸子だって地震が来たらあの衣装脱いで避難誘導するだろうわな。
ここで原初に戻り、「やっぱエンタメ要素欲しいな」となってミナレはエンタメに欲張るかのように手を伸ばしたりする。芸術が“こういうとき”にこそ云々と言うのは、こう言う事だ。本来。
最終回、そのどこかでよく知っているそれを描くにあたっては写実性の強い動きが採用される。マトーさんかっこよすぎてもうね。あの振り返るとこ。
このように、生きていく上でばったりでくわす物を採用してこうも書き上げられたのでは、驚くばかり。驚異の一品だった。