Ka-ZZ(★) さんの感想・評価
3.9
物語 : 3.5
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
私は今からお前を殴るッ 無言で殴り続ける 何故なら! 腹は立ったが返す言葉がないからだ!!
この作品の原作は未読です。
タイトルからどんなジャンルの作品か分かりませんでしたが、知っていたのは石見舞菜香さん、大原さん、能登さんが出演されることくらい…
取り敢えず見てみようというスタンスで視聴に臨みました。
「いやあ~~~~ッ、25過ぎてから男と別れるってキツいですね!」
札幌在住、スープカレー屋で働く鼓田ミナレは、酒場で知り合った
地元FM局のディレクター・麻藤兼嗣に失恋トークを炸裂させていた。
翌日、いつものように仕事をしていると、店内でかけていたラジオから元カレを罵倒するミナレの声が……!
麻藤はミナレの愚痴を密録し、生放送で流していたのだ。
激昂してラジオ局へ乗り込むミナレ。しかし、麻藤は悪びれもせずに告げる。
「お姐さん、止めるからにはアンタが間を持たせるんだぜ?」
ミナレは全力の弁解トークをアドリブで披露する羽目に。
この放送は反響を呼び、やがて麻藤からラジオパーソナリティにスカウトされる。
「お前、冠番組を持ってみる気ないか?」
タイトルは『波よ聞いてくれ』。北海道の深夜3時半、そしてミナレは覚醒するッ!
公式HPのINTRODUCTIONを引用させて頂きました。
1話目の序盤から良い意味で異色さ全開…^^
女性がヒグマと対峙しているんですけどっ…
こんな荒唐無稽な技を駆使できるのは北海道民だから…?
いやいや、北海道の人でも熊は相手にできないでしょ…
余りの情報の少なさから困惑した方も多いと思います。
かく言う私もその一人ですけど…
しかも、その女の人…
何やらヒグマと対峙しながら紙を握りしめて一生懸命喋っているんです。
まぁ、オープニングを経て何が起こっているかは何となく分かりましたけれど。
そう、この作品はラジオの放送に携わる人を描いたアニメだったんです。
きっとラジオ放送と言ってもやるべきことは多岐に渡り、偶然にもその一画となる仕事に就ける機会は、目標に頑張っている人にとっては千載一遇のチャンスなんだと思います。
ですが、本作品の主人公である鼓田ミナレの前に現れた最初の機会は、お世辞でもチャンスだとは思えませんでした。
寧ろ事故…というより半ば強引にまな板の上に乗せられた感しか感じられなかったり…
だけど改めて思うのは、どういう形であれピンチはチャンスに変えられるという事…
目の前に転がってきたチャンスを簡単に手放さない事…
才能は、きっちり開花させ正しく発揮させる義務があるという事…
きっとこれらの出来事に気付かなかったら…若しくは気付いてもその軌道に乗らなかったらその先にはきっと後悔しか無い様な気がします。
勿論、私たちは常に選択し続けなければならないので、一度間違わなかったとしても次に間違うリスクを私たちは負っています。
だから、きっと後悔はこの先もずっと人生に纏わり続けるモノなんだと思います。
だから例えチャンスを掴んで才能を発揮できたとしても後悔の無い人生を送れるとは到底思いません。
ですが、選ばなかったことによる「より深い後悔」だけは避けられるのではないでしょうか。
こうして少しずつ這い上がっていく…
こんな事をミナレの言動を見ながら想像していましたが、物語の構成として、光雄の話はちょっと長かったと個人的には思いました…^^;
確かにミナレの現況の元凶がカレであることは百も承知です。
ですが紆余曲折を経てお互いの関係性は変わったんです。
どうせなら光雄の話よりパーソナリティとしてのミナレの活躍をもっと見たかったのが本音です。
まぁ、総じて面白かったので結果オーライですけれど。
それとこの作品をレビューする上で欠かせないのがミナレ役を熱演した杉山里穂さんの奮闘っぷりです。
これまで「実験品家族 -クリーチャーズ・ファミリー・デイズ-」や「CONCEPTION」に出演されてこられたようですが、正直完全ノーマークでした。
この作品を通して彼女の知名度が一気に上がったのではないでしょうか。
そしてその人気の基盤となる実力を見せつけるには、これほど格好の作品は無かったと思います。
快演…って、きっとこういう事を指すんでしょうね。
これまでも半端無く長い台詞のシーンを何度も見てきましたが、この作品ほど圧倒的なパワーを感じたのは恐らく初めてかもしれません。
その位強烈に印象が残りました。
最近、Twitterやネットのニュースなどで彼女のインタビュー記事などをよく目にします。
今後間違いなく人気が急上昇する声優さんの一人だと思います。
オープニングテーマは、tacicaさんの「aranami」
エンディングテーマは、遥海さんの「Pride」
遥海さんの「Pride」を聴いた時、全身に電気が流れたような錯覚に陥りました。
この曲も私の大のお気に入りで、通勤中に何度もヘビロテして聴く1曲です。
1クール全12話の物語でした。
完走して振り返って思うこと…
現場ってつくづく生きているんだと実感します。
そして現場は常に突発と隣り合わせ…
だからそれぞれの抱える現場で、それぞれが自分の役割を果たすことで社会が回っていくんだと思います。
そんな繋がりをも感じられる作品だったと思いました。