pikotan さんの感想・評価
3.8
物語 : 3.0
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.5
キャラ : 3.5
状態:観終わった
ノリと勢いで戦ってみた
wikiによるとこのアニメの原作は2001年から2005年刊行のようですが、当時は湾岸戦争やアメリカ同時多発テロがテレビで生中継され始めた時期です。
私もアメリカ同時多発テロの時は仕事から戻り自宅でテレビを観ていましたが、いきなりアメリカからの中継に切り替わりビルに旅客機が突っ込む映像が流れたときは衝撃的でしたし、日本も戦争に巻き込まれるのではないかと不安な気持ちになったのを覚えています。
この作品はそんな時代背景を取り入れたのか、マスコミにスポンサーになってもらい戦闘を生中継させる代わりに艦の運営資金を調達するという、他のSF作品とは大きく異なる設定となっています。
この作品の世界では宇宙戦艦は非常に高価で維持費がかかるため、1隻保有するだけの惑星国家がほとんどとのこと。
国でたった1隻?という疑問もありますが、加えて銀河ネットワークというマスコミが1番組のために宇宙戦艦を維持できるだけの予算を確保できるとは、銀河ネットワークという会社の規模や番組スポンサーが気になるところです。
ただそれ以上に個人的にこの作品で最も驚いたのは、主人公達が戦争を始めるキッカケですね。
自分達の国が降伏しているのに、それが気に入らないからと戦艦1隻で敵(王国)と戦争を始めるという学生ノリ。
実際にまだ訓練生なので、そういう若者ならではの勢いはあるのかも知れませんが、学祭や飲み会じゃないんだからいくら何でも軽すぎます。
そんな訓練生達の中で戦いに反対する香月シノンは、唯一と言っていい冷静な判断のできる人物でしたが、対して艦長を務める神崎キスカ、彼は最悪。
王国との戦いを強行に主張した一人ですが、そのくせ実戦では判断が遅くほぼ役に立ちません。
大言壮語する政治家のようなタイプですね。
毎話、キスカが死ねばいいのにと思いながら観ていました(笑)。
戦争作品ですが、戦闘シーンは他の多くの作品とは異なりかなり地味でした。
板野サーカスのように派手にミサイルが飛び交うことはなく一撃必殺の戦い方ですが、意外と緊張感はありました。
OP曲は川田まみさんが歌い、ED曲はKOTOKOさんが歌うという、私にとっては歓喜する組み合わせで、曲自体もとても良かったです。
ストーリーがあまり好みではなかったもののツマラナイということはなく、不思議と続きが気になる作品でした。
作画も良く全体としては高水準に仕上がっているように感じました。