熟成パンダ さんの感想・評価
3.8
物語 : 4.0
作画 : 4.0
声優 : 3.5
音楽 : 4.0
キャラ : 3.5
状態:観終わった
ムズムズするよな
20年前ぐらいを舞台にした青春群像劇ということで、当時の世界観というところをすごい大事にしている。街の建物の配置だったり、タバコの銘柄だったり、ファミコンがあったりと、世界観を崩さない作り込みがすごい。そして、やっぱり背景のところが魅力で、もちろんPCでやってるところもあると思うんだけど、絵具を使った背景というのがあって、それが昔の古い感じというのを絶妙に表している。後、細かい小道具のところの、主人公が持っているカメラとか、料理のところとかも、神作画でやってきているというところに、作品へのこだわりがすごい伝わってくる。
そしてそんな世界観の中での、キャラクターたちの青春群像劇がモヤモヤがずっと続いていく。大学卒業したのに、就職もせずフラフラしているリクオと、過去に縛られまくっていて自分勝手な品子と、極度の粘着体質でリクオのストーカーの晴ちゃんと、よくわからず急にキレまくるロー君という、この4人でのそれぞれの思いが交錯していくのは本当にイライラが溜まっていく。後一歩近づけたらくっつきそうなのに、近づかない。でも近づこうとするんだけど、第3者の気持ちを蔑ろにしていて、結局自分の事ばっかだったり。近づいてもらって本当は嬉しいのに、判断を渋って相手を突き放したり、と人間の嫌なところを全面に出してくるのが、イライラするんだけど面白い、というところがあまり味わえない美味しい味だったと思う。
でもそれが最終回でモヤモヤが晴れて、みんないい方向に進んだラストだった。モヤモヤのまま終わらせるのもよかったと思うが、気持ちよく爽やかに終わったこのラストでよかったと思う。素晴らしいアニメだよ。