しんちゃん さんの感想・評価
4.7
物語 : 4.5
作画 : 4.0
声優 : 5.0
音楽 : 5.0
キャラ : 5.0
状態:観終わった
持続可能戦争、ポストヒューマン、シンギュラリティ…
シリーズ2、リリースから3日で見終えました。時代の最先端をゆくキーワードが散りばめられた、まさに「近未来SF」の金字塔にふさわしい新シリーズでした。
ストーリー的にはここで語り尽くせないほどいろいろなテーマが盛り込まれていて、特に最後の2回は「詰め込みすぎじゃね?」と思うぐらい詰め込まれていました。
以下、まったく個人的な解釈。視聴後の方だけご覧ください。
{netabare} エンディングについてははっきりと描かれてはおらず、視聴者の解釈に任せるということなのでしょうが、少佐がダブルシンクの世界にいるということは、シマムラタカシの作ったNを壊さなかったということなのでしょう。もし壊せば、9課メンバーが壊滅したあの状況まで戻ってしまうから、少佐にはそれができなかった。
ってこれ、めっちゃバッドエンドじゃないですか。完全敗北ってことですよね。ストーリー的には「Vivy」の反対の結末に落ち着いたというか、シンギュラリティを迎えたAIは人間や旧来型AIの想像をはるかに超えた存在(世界の創造主)になってしまいました、という。
そもそも、一度死んてゴーストの失われたプリンを完全義体で復活させた時点で、ポストヒューマン&AIだけで成り立つダブルシンクの世界を予感していたのかもしれません。持続可能戦争もとい世界終末戦争の行き着く果ては、個々人がそれぞれの希望と理想を具現化した「摩擦のない世界」という虚構、夢の中に浮かぶ世界で、ビッグブラザーとはそうした世界を創造し維持するポストヒューマン(1A84というシンギュラリティを実現するAI)のことでした。
「攻殻」の世界観を知っている人からすれば、この展開はある意味予想されたとおりなのですが、それに9課の面々がどのような葛藤に直面しながら対応をしていくのかが見たかったのが、気がついたら全員Nに呑み込まれてしまっていた(しかも何人かはその後の戦闘で死亡?)というのは、端折りすぎでちょっと残念だったなあと思いました。 {/netabare}
ストーリーに対する感想はそんなところですが、3DCGで制作された映像は、「SAC時のアニメーターを集めることができず、手書きでの再現が不可能のため」という理由だったそうですが、CG独特の”作り物”感が、生々しい残酷なシーンとかも良い感じに中和していたり、逆に(メタバース空間を裸で飛び回るといった)生身の人間では到底再現不可能な演出も自然にできていたりという意味で、悪くなかったんじゃないかと思いました。欲を言えば、顔のしわとかつやは線ではなく陰影で表現して欲しかったなとか思いましたが、それが現時点での日本のCG技術の限界なのでしょう。
キャラに関しては、新登場の江崎プリンがシーズン2で非常に重要な役回りを演じます。というか、彼女の変節の顛末がこのストーリーの象徴でもあると思いました。最初登場したときは「ハードボイルドな攻殻に似つかわしくないキャラ」だなと思っていましたが、シーズン2で彼女のウィザードハッカーぶりなどが明らかになり、外見とのギャップでかなり萌えました!(笑)あと、シーズン1の最初に出てきたスタンダード君が最後にも登場するけど、彼は…ただのオモシロ賑やかしでしたね。
ところで、「Nポ」って何だよ?!っていう感想が出てましたが、たぶんあれ「ぬるぽ」(Null Pointer)っていうネットスラングの流用で、「脱N」ぐらいの意味だと思いますよ!