森可成 さんの感想・評価
4.2
物語 : 3.5
作画 : 4.5
声優 : 4.0
音楽 : 4.5
キャラ : 4.5
状態:観終わった
込められた風刺は意図したものなのか否か
「痛いのは嫌なので防御力に極振りしたいと思います。」
はネトゲ初心者の女の子楓が
ラッキー連発をした結果、超強プレイヤーメイプルと
なっていく過程を描いた作品です。
タイトル通りメイプルちゃんは
防御力に全振りしますが、
キャラクターメイキングが本人の性向を
反映するというのは示唆に満ちています。
ネトゲを始めるにあたって
早く攻略することを念頭におくため
多くの人は攻撃重視になりがちです。
自分の性向のままに
ゲームを始める。
これでメイプルちゃんはゲームを
より楽しむことができている。
これが私の感じた風刺の一つ目です。
次に感じた風刺はライバルギルドです。
炎帝ノ国は重課金プレイヤー、
集う聖剣は長時間プレイヤーの象徴だと思います。
この初心者には参考にし難いライバル達と
メイプルちゃんは互角に渡り合う。
金と時間に物を言わせる今のゲーム
を揶揄していると感じられます。
ゲームに対する風刺は運営の在り方にも
当然向けられます。
本作の運営は何となく無能に見えるように描いてますが、
果たしてそうなのでしょうか。
隠しイベントをせっせと仕込んでいるあたり、
かなり体制に余裕があります。
隠しイベントの結果得られる特性も
かなりぶっ飛んでていいです。
一プレイヤーにしか適用できない
効果にあそこまで手間をかける運営は
おそらく存在しないでしょう。
プレイヤー達の意見を反映した結果とはいえ、
メイプルちゃんを弱体化する調整をしなかった
こともゲームの多様性の幅を狭めない好判断
だと思います。
追加で一般ユーザー用の強化イベントとかは
入れなきゃとは思いますが・・・
運営ってこれぐらい遊び心があっても
いいんじゃないのか、というメッセージが
込められていると思いました
とまあ、色々小難しいことを
書いてきましたが、本作は
ダブル楓を愛でる作品です。
一人はもちろんメイプルちゃん。
もう一人はメイプルのCVの本渡楓さん。
本渡さんは中々当たり役がなかったので
私はそれだけでこの作品を
高く評価しちゃいます。
この作品を見て本渡さんに
興味が湧いた方は
『本渡楓と天津向の「本渡上陸作戦」』
見て下さい。
スゲー面白い人ですよ。