oneandonly さんの感想・評価
4.1
物語 : 4.5
作画 : 3.0
声優 : 5.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
この異世界アニメが物語SUGEEEくせに惜しすぎる
世界観:6
ストーリー:8
リアリティ:7
キャラクター:6
情感:7
合計:34
<あらすじ>
超ハードモードな世界の救済を担当することになった新米女神のリスタ。チート級ステータスを持つ勇者・竜宮院聖哉の召喚に成功したが、彼はありえないほど慎重で?
「鎧を三つ貰おう。着る用。スペア。そしてスペアが無くなった時のスペアだ」異常なまでのストック確保だけに留まらず、レベルMAXになるまで自室に引きこもり筋トレをし、スライム相手にも全力で挑むほど用心深かった!そんな勇者と彼に振り回されまくる駄女神の異世界救済劇、はじまる!
(公式サイトより)
異世界系ジャンルの中でおすすめとの意見(意外にも感動できる!?)があったことがきっかけで視聴しました。
設定としては、女神が人間を召喚して、魔王等に滅ぼされそうになっている世界に送り込み、世界を救う(その実績に応じて女神もランクアップ)、という、よく見かけそうなものではありつつも合理的です。状況の飲み込みが早い日本人を召喚しようとか、ありきたりを逆手にとったギャグもテンポ良く冴えてました。
また、リアリティ重視派の自分としては、ご都合主義に頼らない、主人公聖哉の慎重さはある程度共感。私はドラクエ1~3を小学生時代に経験していますが、防御力を上げたほうが、回復を行う回数が減るため、武器より盾などを優先して買い与えていました。{netabare}鎧を3つ買ったり、人にいきなり聖水をかけたり、たいまつを500本とかは流石に病気ですけど…。
魔王側もセオリーを逆手に取って、冒険のスタートとなる町に四天王を送り込んでくるのですが、迷わず神界に逃げ込んでまた修行を繰り返したり、以降の戦いでも錬成でスペアの剣や属性効果の腕輪を作っている等、逆にご都合主義的な対応にも見える時もありましたが、許容できました。ご都合主義に思われない物語を考えていった結果、勇者が病的に慎重になる、という設定に辿り着いた(終盤の展開は後から考えた)のだと思いますが、{/netabare}面白い構想です。
{netabare}聖哉が、町の人が女神リスタルテを見て、露出狂に対してなぜ平然としているのかを不審がっていたシーンもツボりました。なるほど、他の人には見えないカモフラージュが可能というのも巧いですね。
リスタルテは、聖哉へのツッコミや恋愛欲求からくる媚びなど、豊崎愛生さんが好演していました。ギャグ要素の強い作品なので、変顔もOKですが、後半は若干マンネリしてしまっていたので、少し控えても良かったかもしれません。(作画がゆるゆるじゃなければ評価上昇の余地があった)
他の神々も、聖哉の稽古をつけた剣の神セルセウスは数日で聖哉を恐れて、海苔の真似をしたり、剣を投げ捨てたり。軍神アデネラは連撃剣の稽古で聖哉に恋して容姿まで一変してしまったり。中盤までのキャラクターの充実度、魅力は高かったです。
女神がいるギャグ系異世界という点で、このすばに被る部分はありますが、本作はエロ要素が(7話まで)少なく、序盤は一般的にもとっつきやすいのではないかと思います。しかし、8話の下品さは酷かった。。(ミティスがいなければ評価上昇の余地があった)。
神界の時間の流れや掟(オーダー)などの設定も工夫されていたのと、1クールで魔王戦までしっかり描いたことも評価。物語は中盤に若干の緩みがあったものの、アリアが聖哉を見た時の反応など伏線もしっかりあり、よくできてます。
11話及び最終話のシリアス展開、そうなるという噂は見かけていましたが、思っていた以上に良かったです。聖哉が以前にも召喚されていて、その時の失敗が魂に刻み込まれて慎重になったというのは想定内でしたが、リスタルテの過去まで繋がっていたとは。聖哉のステータスが上限に達していて、それゆえのスキル獲得だったこと、自死を覚悟で仲間を置いて魔王に挑んだこと等も納得させられました。
最後、1話を思い出させるプロフィール紙が顔に貼りつくシーン、その名前に感動させつつ、「ありえないくらい慎重」で笑わせてからのOP曲~クレジットという流れがパーフェクトリー。こういうプロの技を見られると、また良作アニメを発掘したいと思ってしまいます。
難度SS世界で2期をという要望の声はありそうですが、私はここで完結でも十分満足です。良いカップルでした。{/netabare}
世界観とキャラクターの6点は作画と品のなさのマイナスによるため、ポテンシャルは優良作。
異世界系を見たことがあって、特に嫌いなジャンルでない方なら、一見に如かずというアニメかと思います。
(参考評価:3話4.0→5話4.1→6話4.2→8話3.8→11話3.9→12話4.1)
(視聴2020.6)