ウェスタンガール さんの感想・評価
4.5
物語 : 4.5
作画 : 4.5
声優 : 4.5
音楽 : 4.5
キャラ : 4.5
状態:観終わった
デッドエンドのその先に
RPGの世界には全くと言ってよいほど縁がなかった。
そんな私でも知っている作品がある。
ドラゴンクエストである。
正確に言うならそのキャラデザをされた鳥山明の漫画、発表当時、リアルで読んでいたDrスランプを思い出したのだ。
そんな訳で、この優しい世界のに触れた時、とても懐かしく温かいものを感じたのである。
指輪物語の世界から、舞台設定を変えつつも脈々と流れる“勇者と魔王”の戦い。
それが、この極東で生まれたサブカルチャーの洗礼を受けた時、我々は、変わることなく繰り返されてきたドラマツゥルギーと言おうか、その因果律が崩れ去り、ここに新たなステージに一歩を踏み出す瞬間を目撃するのである。
{netabare}「ファイナルデッドエンド!」、おそらくこれこそが、マオちゃん自身を輪廻の檻から解き放ち、“勇者と魔王”にエンドロールのその先を見せてくれる究極魔法であったと言えるのではないだろうか。{/netabare}
ミスリード的考察はここまで。
“ゆるゆり”の“なもり”さんと“あおしまたかし”氏の構成脚本である。
さらに、“ゆゆ式”の“かおり”監督とくれば、否が応でも期待が膨らみ、楽しみにしていた作品であった。
期待に違わず、可愛いキャラと気のきいた台詞回しを堪能させてもらった。
そして何より、影の、いや真の主人公を“魔王”としたことに、この作品をより魅力あふれるものとした要因があったように思うのだ。
もちろん勇者パーティーがこの作品の主人公で間違いはないのであるが、能天気なキャラ達が繰り出す変化球を、ウイットに富んだ台詞で切り返し、語るに落ちる“マオちゃん”先生の可愛さである。
さらに、マオちゃん先生の同僚で幼女好きの先生が良い味を出しているのだ。
おそらくではあるが、このキャラ、なもり女史のアバターではなかろうか。
西垣先生と松本りせ生徒会長の関係性を思い出してしまう。
{netabare}マオ 「何でおぬし、我を小脇に抱えとんの?」
先生 「可愛い幼女が行き倒れていたら拾うものでは?」
マオ 「こやつ、なんと澄み切った揺ぎ無い瞳を…」(独白){/netabare}
そして最後には必ずマオとメイゴの絆に涙するのである。
あと、勇者パーティーの戦士“ファイ”が食いしん坊であることもあってか、食事の描写が多いことも、ストーリーに活気を与えていることを付け加えねば。
そんな中、気になりつつも勇気のいりそうな隠し味をご紹介…、
{netabare}「サバ魚人の残り湯」{/netabare}