まつまつ さんの感想・評価
4.0
物語 : 4.0
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
社会とは本音と建前で出来ている
主人公の比企谷と雪ノ下は高校の奉仕部という部活で活動しているが共に校内で孤立した存在である。
二人に共通しているのは、ハッキリと物を言う事。
言っている事は間違ってはいないが、あまりにストレート過ぎて相手を傷付けたり怒らせたりしてしまう。
それが顕著なのが文化祭の話。
皆にチヤホヤされたいが為に文化祭の実行委員長になった相模という生徒だが、補佐を依頼した副委員長である雪ノ下の方が遙かに仕事が出来、他の委員会メンバーから注目を浴びる事で、相模は嫉妬と敗北感から仕事を放棄する。
そしてエンディングセレモニーでの登壇前に人前で恥を掻きたくないあまり失踪してしまう。
そんな相模に対して比企谷は痛烈な言葉を掻け、周りの人間は比企谷を軽蔑して相模を庇い、相模はセレモニーにも出て文化祭は無事終了。
比企谷が嫌われ役を買った事で相模は批判を受ける事は無かったが、
比企谷自体は正しい事を言っていて何も間違っていない。
クズなのは相模だと誰しもが思うだろう。
それでもそんな事は誰も言わない。
皆本音と建前で生きているから。
実際に子どもの頃からスクールカーストというものは存在していて、容姿端麗であったり、力のある人間が上位にいる。
由比ヶ浜の様にそうした奴らに嫌われたくないからと、八方美人に振舞っている人も沢山いるだろう。
社会に出てからも色んなタイプの人間がいて全ての人間と上手くやる事なんて不可能。
雪ノ下の様に完璧過ぎて融通も利かない人間も妬みの対象となり孤立する場合もある。
上手くバランスを取りながら生きていかなければならない。
このアニメはフィクションでありながら、リアルな面もかなりあると思いながら視聴した。
自分も学生の頃は流石に比企谷程ひねくれても無く、完全なぼっちでも無かったが、スクールカースト上位の人間では無かったので彼の気持ちは共感出来る面も多々あった。
弱いものイジメをするような奴や圧力をかける奴には嫌気がさしたが、力が無くて抵抗も出来なかった。
そんな奴らが今、そんな過去の事など知れず幸せに生きていたら正直腹立たしくも感じる。
何か自分の過去を思い出しながら観てしまった。