退会済のユーザー さんの感想・評価
4.3
物語 : 4.0
作画 : 4.5
声優 : 4.0
音楽 : 4.5
キャラ : 4.5
状態:観終わった
★4/ 情熱のリベレーション
情緒溢れるオープニングは必見。
アニメ好きなら義務とさえ言っていい。
"和"のモチーフを強力に活かしつつ
"青春の輝き"としか例えようがない
実に見事な映像美に誰しも心を奪われよう。
"よさこい"への情熱を激しく燃やし
募らせた想いを単身叫び続けるハナ。
憧れと現実との剥離に動けないナルを筆頭に
ヤヤ、タミ、マチへと情熱が伝播してゆくさまが
時に熱く時に優しく描かれていく。
座して見るべし。これぞ正に青春物語である。
これズルイわ第1話。ワンダホー!ファンタジック!アメイジング!オープニングと初回にガッツリ予算をかけてキッチリ掴んでいく手法にしっかりと狙いどうり一発でヤラれました。夜空をバックに踊る姿を見せる為だけにパルクールをしている設定もいい。やりすぎだけど。もう一つの特色は5人揃うまで10話を要する大胆な構成。オープニングでネタバレしていても、とても仲間になるとは思えないメンバー達。ヤヤは最初"よりもい"のめぐみポジにしか見えんかった。監督が一緒らしいので"よりもい"のプロトタイプとしてみても面白い。溜まりに溜まった想いが爆発するという点は共通するのかな。牽引役の動機はよりもい白瀬よりハナの方が時間かけた分だけ説得力はあります。ただみんな揃って何かするという方が商業的にウケるということなのでしょう。そういう意味ではメンバー集めにフォーカスしたこの作風は挑戦的と言えるのかもしれません。これもまた我慢劇の亜種ということなのか。
風評を歯牙にもかけないハナを「ガイジンだから」とか「テンプレ金髪キャラってそういう性格でしょ」で済ませないところが素敵です。ここにしっかりと時間を割いて納得させてくれます。日本に来て募りに募らせてきた想いをとうとう実行出来るという事、それ自体がただ嬉しくてたまらなくて何か事を起こさずにはいられないとアツく語る溢れ出した情熱が止まらない彼女を応援せずにはいられないでしょう。好きなものを好きと言えない環境は苦しいものです。自分の想いを語るハナに見える解放された魂の美しいこと。引っ込み思案だったナルが"自分も楽しかった、協力したい"と自分の言葉でハナに伝えられた時点で彼女の成長はすでに遂げられています。あとは転がるだけ。
よさこいの魅力を伝える事に関しては最初から放棄している印象。一生懸命描いたところでどうせオマエラよさこいもしないし南極も行かないだろう?と耳の痛い言葉が聞こえるようだ。よりもいも同様だが牽引役以外は最初から動機なんてない。きっかけなんて何だっていいんだ。やる事行くとこ何だっていいんだ。よさこいだろうが南極だろうが武道だろうがスポーツだろうが何でもいいんだ。最初の一歩を踏み出す事そのものが肝心でとにかく何でもいいから食らいつけ、やってみなけりゃわかんないでしょと訴えかける中学生や高校生の彼女らに見せる背中を我々は持ち得ているのか。
オープニングありきで成立する奇跡の良作。
こういう尖った作品好きですね。