ふぁんた さんの感想・評価
3.6
物語 : 3.5
作画 : 5.0
声優 : 2.0
音楽 : 4.0
キャラ : 3.5
状態:観終わった
ガハラさんと花火を見れるif
DAOKOと米津さんの曲からこの映画の存在を知りました。
曲めっちゃいいんですよね。
「ぱっと」のところが特に。
とにかく、なずながかわいい。
表情ゆたかにいろんな顔をしてくれるので、
中学生男子だったらイチコロですね。
ツンがなくなったガハラさんかな。
制作はシャフトでもちろん作画は申し分もなく美しいです。
化物語等でおなじみのシャフトらしさはかなり控えめですが、
目のアップでキャラの感情を伝えたり、
魚眼風や天地を逆にする構図。
相変わらずな不思議な校舎。
シャフトのよい個性は存分に感じることができます。
物語というか、コマ割りのテンポのよさはさすがシャフトですね。
あまりスケールの大きくないお話でも、PVを観ているかのように
テンポよくシーンが進むので、美麗な作画と合間って目が離せなくなります。
主題曲の「打上花火」はとてもポップで、デュエット曲なので
クライマックスに使って欲しかったですね。
原作は未視聴ですが、岩井監督の「リリイシュシュ」「花とアリス」「PiCNiC」などは大好きなので期待大でした。
ストーリーはあの化物語やまどかを制作したスタッフが!?
と驚くほど盛り上がりに欠け、キャラも印象に残らない残念な結果になっています。
原作があるので仕方がないところもありますが、
お話の中心がなく、単純にタイムリープを繰り返して、
短い期間のifを観せるだけなので、絵でどんなに着飾っても単調です。
製作陣が何を表現したいのかという背骨がなく、
原作ありきのタイムリープというギミックに最後まで引っ張られてしまったという印象です。
その割に他作品ほどタイムリープを掘り下げるわけでもなければ、
中学生の友情と恋と青春を掘り下げるわけでもなく。。。
不思議なもので、同ジャンルでそこまで派手ではない「時かけ」は、
登場人物たちの関係性や人物描写、気持ちの変化などしっかりと表現されていました。
この物語の登場人物はそんなに多くないけど、
これだけの時間を使って誰一人そのキャラが全くみえてきませんでした。
違う言い方をすればキャラに没入できませんでしたね。
主演二人。
広瀬すずちゃんは可愛く好きな俳優なのであまり悪く言いたくないですが、
アニメにはあってないのかな。
菅田くんはひどかったですね。
実写の空間を会した演技・録音と
マイクから直接録音されてしまうアフレコでは仕方がない部分があるにしても、、、
この演技を良しとした監督・音監はじめお偉い様方は劇場でこの演技を聴いて、
聴衆からお金をとれるレベルと納得できたのでしょうか。
声優を絶対使えというわけではなく、
「君の名は」の上白石さんと神木くんのようにベストマッチしている俳優もいます。
マーケティングのためだけに明らかに作品の質を下げるようなキャスティングをしても
興行収入のためならどうとも思わない姿勢は許されるべきではありません。
この映画はシャフトだからと観に行った人も多いと思います。
次作はシャフトファンを裏切らないような神作を期待したいですね。