「ぼくらの(TVアニメ動画)」

総合得点
81.9
感想・評価
1889
棚に入れた
9823
ランキング
391
★★★★☆ 3.7 (1889)
物語
4.0
作画
3.4
声優
3.6
音楽
3.9
キャラ
3.7

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ネタバレ

buon さんの感想・評価

★★★★★ 4.4
物語 : 5.0 作画 : 4.5 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.5 状態:観終わった

実に優れた社会人たちだ

私が信じているものが3つある。

一つは金、最も単純に信用できるものだ

一つは、生まれたら死ぬということだ

一つは、得ることは奪うことだ。


金は単純で信用がかなり高くおけるが、いざってときに役立つかは分からない。
生き物は死ぬ。

給料をもらうことは会社から奪うこと、対価は特に時間があげられる。
儲かることは誰かが儲かる機会を奪うこと。
経営学か経済学かなんかに、ブルーオーシャンとレッドオーシャンという言葉がある。
レッドオーシャンっていうのは既にある商品と同じものをつくる、同じ舞台で戦うこと。
ブルーオーシャンってのは今までにない商品をつくること、
ライバルがいないから血を流さない、から赤くない。
例えば、大分前になるが卵のパックとか。
昔はあれをホチキスで止めていたらしいし、多分私はその商品を見ている。
あれが機械化したことでホチキスで腱鞘炎になりそうなおばさんがいなくなった、
そしてその仕事はなくなった。

ブルーオーシャンて、ないと思う。
ブルーオーシャンは赤い海を黒く染めることなんだろう。
金はそれなりに有限だから、
ブルーオーシャンに流れた金がどこから流れたか想像することは容易い。


古い作品なので内容については簡潔に述べよう。
あと、このサイトで使われているあらすじはきっと、
この作品があらすじとして公式に使用しているものかも知れないが、
あれはクソだ。

「こどもたちはゲームと唆されて、自分の命一つをロボットを一回動かすための原動力として使う争いに巻き込まれる。この争いは地球の存続に関わり、大人たちは金、街、世界、自分、自分のこどもたちのために戦う。」
私ならこんな感じ。

こどもたちは中学1年生たくさんと小学4年生一人、
この小学生はこの争いの戦士ではなく傍観者となる。
彼ら彼女ら中学生たちは、その年齢らしくもある一方、
ほとんどが子どもに相応しくない優しさ、決断力、強さを発揮する。

一方、大人らは現状に対応するため、自分の地位を守るため、
これから続く世界のため、この争いから金を得るため、
それぞれが本気でこの争いに立ち向かう。

実にこの大人らが優れていた。
特に日本の政治家。あんな総理大臣欲しいわ。
対応力・判断力・決断力と先見性を備えている。
未知の存在を受け止められる器も持っている。
彼や彼らは未来を見据えていた。
もし地球が消滅したなら問題がない。
なぜなら異議を唱える人がいないからだ。

なら彼らは何をするか、地球が生き残った先も見なければならない。
しかし、直近の目前の問題を無視するわけでもない。
今でき得る対応を全力を挙げて取り掛かる。

他の大人たちは少し違うがそうだ。
ただ、地球がなくなる、自分が死ぬなんて考えていない事だけが違う。
未来がある、明日がある、立場がある、矜持がある、
そのために戦う。

一部ゴミのような大人もいるが、まあしょうがない。
若くても年老いてもゴミはゴミだ。良くも悪くも変わることはあるが。

その大人たちの中で異彩を放つのが、当事者となっているこどもたちの親、
特にそのこどもたちが巻き込まれていることを知っている親だ。

人はそう簡単に生き方を変えられない、
しかし同じやり方でこどもたちに力を貸す、支えとなることはできる。
そのこらの親、親代わり、親の様な存在、そんな人たちもよくがんばった。


この時期に観るのは良くないかもな。自分には最高のタイミングだった。


私はこの作品の名前は知っていた。
観たことはないが、電脳コイルとかと並ばれる鬱アニメだ。

しかし実態はそうでもなかった。
悲壮感があまりない。

こどもらは、死の現実や自分たちがもたらした死について悩むことはあった。
けど、割とあっさりどうでもよくなった。
だってしょうがないじゃん。

戦わなかったら地球上の全生物消えるんだし、
何より、戦っても戦わなくても自分たちは、ロボットを操縦した自分は死ぬんだから。

この作品がSFとして優れているかは分からない、
物語にそこそこ粗もある。

ただ、こどもらや大人たちが取った行動は実に現実よりも素晴らしい。


彼ら彼女らの優しさ、強さ、弱さに乾杯。


あとこの時期に観るのはやっぱり勧めない。

投稿 : 2020/06/09
閲覧 : 389
サンキュー:

8

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