ノイマン さんの感想・評価
4.4
物語 : 5.0
作画 : 5.0
声優 : 4.0
音楽 : 3.0
キャラ : 5.0
状態:観終わった
とにかく見てみて感想を寄せてもらいたい
日本は、1974年に人口抑制政策を取っていたことを知っているだろうか。田中角栄内閣でのことだ。
当時は、食糧問題が念頭にあったため、人口抑制しないと食糧問題、食べるものがなくなる、ということが発生すると思われていたようだ。
1990年頃から、高齢化問題がクローズアップされてきた時期に、作成された作品のようだ。人口に占める老人の率が高くなるのも明白な事実だった。
作品制作当時は、どのような世情だったかは知らないが、さすがに目の付け所が違う大友先生の作品を感じた。
最近になって、やっと介護用機器が設置されつつある中、制作当時において、介護用ロボットを社会問題の写し鏡として描いている斬新さには平伏する。
作品に出てくるような、高性能介護用機器は実装されてはいないと思われるが、裏には、軍事目的としたAI開発があったことに、「あるある」感があって面白いし、非常に現実味のある内容であったと思う。
ただ、作品内で、介護(?)されている老人ハッカー軍団には、観たものに笑いと、まだまだ老人も捨てたものではないぞという、希望も感じられ、主たる憂鬱な老人問題を喜劇化して、暗い内容を中和しているのがにくい。
昔風の平たいアニメ作風だが、あまり絵の古さを感じさせない不思議な策が出会った。絵を描かない私には、わからない何かがあるのだろう。
さすが、大友先生の作品だと感心した。