ミュー さんの感想・評価
4.7
物語 : 4.5
作画 : 4.0
声優 : 5.0
音楽 : 5.0
キャラ : 5.0
状態:観終わった
とても洗練された友愛物語とその友情あっての巣立ち。
自分はlainやその他比較的
鬱的要素の強い関連アニメ作品から
この作品を知り観ようと思いながらも
やっと今回視聴しました。
入りからとても優しい世界観に
入り浸って視聴することができました。
おそらく優しかったりほのぼのとした
雰囲気のアニメを見たいとすれば
日常系のアニメを見ればいいのかもしれませんが
それだけではない少し昔のこの年代の
この作画ならではのノスタルジックな雰囲気や
{netabare}
灰羽と壁の中という設定にも惹かれました。
初めは灰羽とは何なのかな?と思っていましたが
ヒロインであるラッカがレキに言った、灰羽が
一体何のために存在しているのか?といったような
問いかけは灰羽を通して、自分も同じように
レキに言っているような気にもなりました。
答えを求めていたというよりも、
ラッカが生まれる前からレキが巣立つ前までの
二人の絆が何よりこのアニメのメインだったとは思います。
何か、真の友情というか
普通に何気なく幸せに生活していくだけでは
どこかそれだけで本当にいいのかな?というような
ラッカの鋭さもレキの本音を最後に知りつつも
最初から今までの二人とクー、他のみんなを含めた
本当に何気ない生活の中で、ラッカもレキも
一緒に楽しく暮らし続けてきた思い出があったからこそ
ラッカがレキを助けることができたのかなと思えば
レキもラッカに救われて本当に良かったと思えました。
灰羽はある日突然巣立ちを迎えるという設定でしたが
それもそこまで違和感がありませんでした。
実際、人であってもどこかの民族のように通例の儀式が
日本にはある訳ではありませんし、巣立つ(大人になる)という
ような意味(に解釈をして)も確かに、二十歳になったから
という訳でもなく、みんなバラバラな気がしました。
連盟の人の"老賢者"ぶりや、レキが見たという生まれる前の
"夢"の記憶の世界、列車の形をした"怪物"が襲ってくるようなシーンは
心理学を齧っている自分にはどうしても当たり前かもですがとても心に
深く共鳴してくるストーリーではありました。レキの本音や、怖い夢の話
最後の列車の形をした怪物は、実際カウンセラーや心理士が話を聞いたり
守秘義務に当たりそうな内容のものなのかなと感じました。
実際、ラッカも深く傷ついた印象でした。ですが、ラッカが
強く成長し、またレキがずっと自分を守ってくれていたと自覚できていたことで
レキを助けたいと思い、本当にレキを助けることができたという部分では
書いている途中で思い出しましたが、レキがラッカのことを
最後の希望だと言っていたようなニュアンスも最後にその願いも
成就したんだなと理解しました。
Youtubeで横嶋奈落さんが詳しく解説していました。また
日常、考える、カウンセリングというキーワードも共感するところでした。
https://www.youtube.com/watch?v=SKIaurmuO-M
{/netabare}
実際、人が生活していく中でも
自分一人だけでは決して成長できそうにない
気持ちの弱さが確かに自分にもあると思っていましたが
ラッカとレキの関係を通して改めて
心を許し合えるような人の存在の大切さと
それがまた、一人の人間にとってはとても大きな力になることを
感じることができました。
現実の世界だけでは心もすぐ乾ききってしまい
レキのように優しくすることもできないまま
すぐ身も心も疲れてしまいそうな自分ですが
そういう時にもラッカやレキ、灰羽のことを
時々思い出して、リラックスしたいなと思います。