たわし(爆豪) さんの感想・評価
3.6
物語 : 3.0
作画 : 4.5
声優 : 3.0
音楽 : 4.0
キャラ : 3.5
状態:観終わった
完全オリジナルの「ハガレン」
2005年。この頃にはまだ「鋼の錬金術師」の単行本は10巻程度しか出ておらず、なので2003年のアニメも途中から完全オリジナルになり、一応オリジナルの完結編としての映画になります。
なので、キャラクターが原作とはかけ離れた設定になっているので、原作派の人には不評です。(僕もその一人ですが)
このあと2009年~2011年にかけて、物語を完結するべく制作されたのが「フルメタルアルケミスト」のほうで、北米でもこちらのほうが人気が出ました。
さて、この「シャンバラ」では舞台が19世紀の科学万能時代のイギリスというよりは、オカルトに心酔していたナチス党政権下の「ドイツ」っぽい雰囲気があり、軍服や兵器にその一端が見受けられます。
「ハガレン」の良さの一つとして、この世界観の政治状況は19世紀~20世紀初頭のヨーロッパを軸にしているので、非常に人種問題や宗教問題、奴隷問題などが語られているので、物語として非常に重厚な雰囲気があることだと思います。
最近大ヒットした少年ジャンプの「鬼滅の刃」にはこういった政治状況までの裏付け設定がないんですよね。。そこは週刊連載だからかもしれませんが、ワンピースやナルトではその世界なりの歴史があるので、あくまで作家個人がどこを語りたいのかによるのかもしれないですが、「鋼の錬金術師」が大の大人が読んでも唸ってしまうのに対して、最近のアニメや漫画にはこういった思慮深さが足らない気がします。