U さんの感想・評価
3.5
物語 : 3.5
作画 : 3.5
声優 : 3.5
音楽 : 3.5
キャラ : 3.5
状態:観終わった
C. ネタバレ注意 - 虚構との頭脳戦
城平京の小説 片瀬茶柴によりコミカライズされた
怪異の知恵の神と怪異に恐れられる青年によるミステリー
<主要登場人物>
・岩永 琴子:鬼頭明里
・桜川 九郎:宮野真守
・弓原 紗季:福圓美里
・桜川 六花: 佐古真弓
・七瀬かりん:上坂すみれ
<ストーリー>
岩永琴子は11歳の時、怪異たちの「知恵の神になって欲しい」という願いを受け入れた。
知恵の神になる代わりに右目と左足を失った(一眼一足)岩永は
以後、怪異たちの争い事の仲裁や問題の解決をしている。
岩永は2年前、病院で見かけた桜川九郎に一目ぼれしたがその時側にいた恋人の紗季と別れたことを知り「結婚を前提に付き合いませんか」と声をかける。
九郎は11歳の時祖母に予言獣の件(くだん)と不老不死と言われる人魚の肉を食べさせられ、不死の身体(成長はするので不老ではない)と自分の望む未来をつかむ能力を手に入れていた。
怪異からは人魚と件と人間が混ざった姿に見えるらしく化け物と恐れられていた。
その事実を知った紗季が九郎の元を去ったのだ。
さらに2年後、九郎と同じ大学に入学した岩永は真倉坂市にいた。
真倉坂市に鉄骨で人間を襲う「鋼人七瀬」という怪異が出没すると知ったからだ。
そして、この街で警官になった紗季と出会い協力を求める。
父親殺しの汚名を着せられマスコミから逃れるため真倉坂市のホテルに滞在していたアイドル・七瀬かりんが鉄骨の下敷きになって事故死したのだが、
この七瀬の亡霊が鉄骨で人を襲っていると噂されているのだ。
鋼人七瀬と対峙した岩永は七瀬からは何も感じられずあやつり人形のように思えた。
鋼人七瀬のまとめサイトをみた岩永はトップページのイラストから
九郎のいとこで九郎と同じ不死と未来を決定する能力を持つ六花がネットの書き込みを利用して作った虚構であると知る。
鋼人七瀬は人間の妄想と願望が作り上げた想像力が実体化した怪異だったのだ。
紗季の同僚の寺田刑事(浜田賢二)が殺されたことで、鋼人七瀬の噂はますます大きくなっていく。
妄想され誰かに望まれる限り消えない鋼人七瀬を消滅させるのは難しい。
岩永は掲示板に刑事を殺した犯人と動機を書き込み合理的な虚構を上書きすることで世間の鋼人七瀬に対する思考を止めようとする。
1. 鋼人七瀬は同僚の女性警官のでっちあげ
寺田刑事を恨んでいた同僚の女性警官が殺害時に自分に疑いが向かないよう亡霊をでっち上げた。
2. 鋼人七瀬は存在する
父が娘に疑惑が向くような手記を残し自殺した。
あの世で罠にかけたのは父だと知った七瀬が自分は父によって自殺に近い事故死に追い込まれたと訴えている。 成仏を願って天に送ってあげよう。
3. 鋼人七瀬は姉の知人による演出
父の手記を公表した姉は自分に復讐するため妹が死んだふりをしていると怯えていた。心配した誰かが妹は死んだと信じさせるために亡霊を演出した。
4.七瀬かりんは生きている
人生をやり直すため自分に似ている誰かを殺しすり替わっているが、身バレしそうになり
七瀬かりんは死んだと思わせるために鋼人七瀬をでっちあげた。
岩永がサイトを通して六花と戦っている間、九郎は鋼人七瀬が街にでないよう身体を張って食い止めていた。
九郎が未来を変える能力を使うためには一度死ぬ必要があるため、何度も何度も死んでは鋼人七瀬は存在しないという未来を掴もうとするが、同じ能力を持つ六花がそれを拒む。
岩永の書き込みで少しずつサイトの閲覧者が鋼人七瀬は虚像だと考える人が増えていく中
このサイトは七瀬かりん自身が作ったものではないのか?という疑問を投げかける。
これで一気にサイトの流れが変わることになる。
負けを認めサイトを閉じた六花だったが、
自身の不死の力を失くしてくれる怪異や神を創造するまでは諦めないであろう。
岩永と九郎は手段を選ばない六花を止め社会の秩序を守ることができるのか?
<メモ>
岩永のセリフが多くて分かりづらかったけど面白かったです。
3話以降は鋼人七瀬の話ですが、1話、2話の怪異の問題を解決する話をもっと見たかった。
昨今のネットによる誹謗中傷や思想の誘導なども、妄想と願望が実体化したものなのかも。一人で妄想する分には問題ないけどSNSに書き込むことで実体化して誰かや何かに対し同じ思考になるのは怖いな。
20.5.13