まつまつ さんの感想・評価
3.8
物語 : 4.0
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 3.5
キャラ : 3.5
状態:観終わった
改めて1本のアニメに多くの人が関わっているって事を再認識。にしてもブラックな業界だ
今までエンドロールは飛ばしたり、流し観しているだけだったが、この作品を観てこれだけ多くの人がこんなに大変な思いをして制作しているんだという事を改めて知る事が出来、ちゃんとエンドロールも観るようになった。
しかし誇大な表現があるにしてもこの作品がアニメ業界のリアルだとしたら自分がこの業界に足を踏み入れる事は到底無理。
あまりにもブラックすぎる・・・
面白いアニメを沢山観れる事はファンとしては嬉しい事だが、こんなにカツカツな状態でやっていたら身体も持たないし、高いクォリティーを維持する事も困難。
いくらアニメが好きという思いでやっていても身体が付いていけない。
宮森が僅か入社2年でデスクとして奮闘しムサニのエースとして働くというのはこの作品での成長を描く点では良かったが、現実的にみると新人にしか頼れない状況って凄い危険と思ってしまう。
この作品の中にも中堅社員というのは余りいなさそうで、若手かベテランに二分されている感じがする。
矢野や井口も5年程度のキャリアでベテランのような扱いだが、現実的にはまだ若手の部類だろう。
要するに多くの人が辞めてしまい、入れ替わりが激しく中堅が殆ど育たない業界だと感じてしまう。
そして仕事が出来る奴と出来ない奴の差が激しすぎる。
太郎や茶沢なんてあんなのが同じ職場にいたら本気で関わりたくない。
外注先もロクでもない所が多い。
クリエイティブな仕事だから癖のある人は多いのだろうが、これだと真面目に仕事をしようとしている人は嫌になってしまうだろうなぁ平岡のように。
まぁここら辺は現実社会にも自分にも思い当たる事が多すぎて共感出来てしまう所であった。
アニメを日本の文化とするのであればもう少し働き方の改善をしてくれる事を切に願ってしまう。
個人的には絵麻の成長や杉江さんが再びやる気を出して作品に携わっていく姿が良かった。
また、アニメーション同好会OG達の悩みや葛藤、頑張りを通して自分にもこんな一生懸命な時代があったなぁ。夢ってなんだったっけ?
と思わせてくれる作品だった。