タック二階堂 さんの感想・評価
4.4
物語 : 4.0
作画 : 4.5
声優 : 4.5
音楽 : 4.5
キャラ : 4.5
状態:観終わった
コンフィデンスマンWORLD
詳細は公式でも。
{netabare}
=====Case 1
舞台はロサンゼルス。
弁護士の父親が人身売買で逮捕され、常にその汚名が人生につきまとってきた枝村真人(エダマメ)。就活もうまくいかず、ようやく就職した会社は、組織的な詐欺を働くお茶の輸入代理会社でした。
そんなことを知らずに働いていたエダマメでしたが、ある日、ガサ入れに遭い、初めて詐欺師の片棒を担がされていたことを知ります。
執行猶予中、仕事を探すも詐欺師のレッテルは大きく就職が決まるはずもありません。それなら本当の詐欺師になってやろうと、詐欺会社の元社長が刑期を終えたタイミングで、詐欺師家業を行うことに。
そんな折、とあるアメリカ人・ローランから金をせしめたと思いきや、実は掠め取られ、しかも警察に追われることになり、ローランとアメリカに高飛びすることになります。しかし、ローランは実は……。
=====Case 2
舞台はクアラルンプール(でしょうか?)。
戦闘機のF1とも呼ぶべき航空レースの元締め・サムが、実は八百長で大儲けをしていました。
そんな悪党のサムから、闇のノミ屋を作って金を巻き上げようとレースチームを結成したローラン一味。アビーをパイロットに、どんどん勝ち進みます。
一方、エダマメはサムのチームにエンジニアとして潜入。闇ノミ屋を紹介して金を出させることに成功。そして、いよいよサムのチームとローラン一味との決勝レース。しかし、なんとパイロットは……。
=====Case 3
舞台はロンドン。
絵画のオークションで、目利きとして世界的に評価されているオークショニアのコールマン。しかし、実は資産家の女性に金を出させて、自分好みの絵画を収集するクズな男でした。
エダマメが下宿している小さなフレンチ食堂。そこに飾られていた1枚の絵画は、実は有名作家の貴重な1枚でした。
売り上げが振るわず、店主は店を畳もうと思っていましたが、エダマメが絵を買い取り、その売却益で店の継続を提案します。しかし、アビーたちと共謀してコールマンに高く売りつけようとしましたが、逆に市場価格より遥かに安価で売ってしまいました。
そこでローラン一味は、富裕層向けの闇オークションを仕立て上げ、コールマンに買われた絵画の贋作を制作して、コールマンから金を騙し取ろうと企てます。
=====Case 4
舞台は日本と上海。
足を洗ったエダマメ(お前、何回足洗ってんだ)は、ローランの口利きで中小企業に就職します。いや、まず、そこ疑えってんだ。で、その会社は、実はヤクザの子会社で、会長の朱雀アケミは組をまとめる女組長。で、エダマメが入った会社は、人身売買で利益を得ているのです。
はい、ここで気づきますよね。エダマメの親父が何か関係しているんだろうと。実は、エダマメの父はローランたちと組んでコンゲームをしている魔法使いのオズだったんです。
あー、うん。面倒くさいので、あとは観てのお楽しみということで。いろいろ、いろいろある全9話です。
{/netabare}
というお話です。
「コンフィデンスマンJP」の脚本家・古沢良太氏が脚本を担当し、制作はWIT STUDIO。そしてキャラクターデザインにエヴァの貞本義行氏という布陣。7月からフジテレビ「+Ultra」枠で放送開始される作品です。
ネトフリでは先行して、すでに全話配信されてますので、すでに完走済みです。
いや、これ、めっちゃ面白いです。
騙し騙されのヒリヒリしたスリルある展開。アメコミ調な背景作画ですが、適度にリアル感があり、映像に高いセンスを感じさせます。
EDはフレディー・マーキュリー「THE GREAT PRETENDER」です。どうやら、この曲からタイトルを取ったみたいです。
主人公のエダマメは、いっぱしの詐欺師気取りですが、随所に甘い所があって話を上手いこと引っ掻き回す道化師としての役割が見事に描かれてます。
{netabare}
Caseごとに、ひとつのエピソードがスッキリと完結します。が、Case 1こそ、観終わって「お、おう。そうだったのか」と声が出ましたが、Case 2、3は、どちらかというと人情物っぽい感じで、ある程度、結末が予想つきました。
Case 2と3は、舞台や設定こそ違いはあれど、騙す方法はほとんど一緒。ヒロインの過去を掘り下げ、それを解決?するという図式も同じでした。
エダマメの甘さという点で言えば、特にCase 3はなんていうか……。詳しくは書きませんが、贋作と本物をすり替えてコールマンに渡すのは……。ま、それもシンシアの元カレであるトーマスの渾身の贋作を渡したくないという理由ではあるのですけど、そこが、もう少し何というか、盛り上げ?がね。
で、ここからCase 4の追記なんですが、9話あるだけに、けっこう掘り下げます。このCase 4はローランの掘り下げ。駆け出しのコンフィデンスマン時代、好きになった褐色美女・ドロシーとの切ない思い出が、今回の大きなテーマになりますよ。Case 4は面白かったです。ただまあ、うん。コンゲームのトリックは、かなーり運頼みの雑さがあります。そんな長いこと睡眠薬で眠ってねえだろ、とか。
{/netabare}
というわけで、Case 1を観て、とてつもない大物が来たと感じたんですが、2、3とスケールダウンというか、もっとコンゲームのスリリングな面白さを前面に出す脚本になっていればよかったのに、と感じました。まあ、4はストーリーとしては悪くありませんでした。コンゲームとしての面白さはさておき、ね。
ただ、アニメとして十分高い水準の作品だと思います。今期、オススメしたい1作だと思いますよ。