タック二階堂 さんの感想・評価
3.9
物語 : 3.5
作画 : 4.5
声優 : 4.0
音楽 : 3.5
キャラ : 4.0
状態:観終わった
こりゃまた、ずいぶん難しいテーマを…
詳細は公式でも。
宇宙人に侵略され、ひどい状況になっている2012年
から歴史を変えるために1999年に送り込まれた文明
(フミアキ)が、若くして父の跡をついで私立
ヴァルトシュタイン学院(オカルト学院)の学長に
就任したマヤと出会うところからスタートです。
マヤの父親の死因を探りつつ、次々と起こる怪奇
現象を解決していくマヤと文明と愉快な仲間たち。
そして、ノストラダムスの大予言を回避するための
鍵は、いったいどこにあるのでしょうか。
というお話です。
基本、ギャグコメディという印象が強い作品です。
といっても、終盤までストーリーもしっかりして
シリアス展開になったりしますので、エンタメと
して楽しめる作品になっていると思います。
ただ…
{netabare}
序盤からやけにベタベタと文明に絡んできた定食屋
の孫娘・美風が、実はマヤの父親を殺した黒魔女
でしたという11、12話は、ちょっと疑問でした。
え? その設定いる? ここまでは、多少の無理は
あるもののリアル系の作品だったじゃん。
いきなり魔法バトルになるわ、空飛んじゃうわ、
街の人がKKKみたいになるわ、魔女殺すべしとか
言ってる割には自分たちのボスが黒魔女じゃんとか、
いろいろツッコミどころ満載。
てか、作風のテーストがガラッと変わっちゃって
ん~……って感じました。
その後の文明と子どものブンメーくんが出会うと
トリガーとなって空間の歪みが云々というくだり
は悪くなかったけど、黒魔女vs.白魔術師とか、
余計なことするから尺が足りずに、文明がスプ
ーン片手に宇宙人に突っ込んで行って歴史を
変えましたよという、明らかに「そりゃねえだろ」
という展開になってしまいました。
そして、おそらく自分の身を犠牲にした文明が、
マヤに「俺を頼むぞ」と言って宇宙人に突っ込
んだのに、どうして歴史が変わった世界の2012年
にマヤの旦那が文明なんだよという。
いろいろ矛盾ありませんか?
{/netabare}
とまあ、確かにタイムリープという難解なテーマ
を、1クールでそれなりに観られるくらいにまとめ
たのは良かったのではないかと思います。
作画も、当時のアニメノチカラとしてテレ東と
アニプレックス(A-1 Pictures)が組んでの
アニオリ3部作ということもあって、非常に力が
入っています。すでに10年前の作品ですが、
そこまで古さは感じませんね。
ただまあ、指摘した強引さや、そこはかとない
B級アニメ感もあって、名作という域までは
達していない感じです。それでも最後まで飽きず
に観させるパワーのある作品でした。