ぷて さんの感想・評価
3.0
物語 : 1.5
作画 : 3.0
声優 : 2.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.5
状態:観終わった
キャラは好きだけど、アニメ作品としては…
まず、すでに言われているように主人公格の滝川みうと斎藤ニコルの演技は上手いとは言えません。が、ニコル役の人はかなり直前になってデビューしたらしい新人ですし、みうの喋り方もコミュ障なキャラには合っているとも言えるので、個人的にはそれほど気になりませんでした。
この作品の最大の欠点は、なんと言っても「壁の謎が結局ほぼすべて投げっぱなしになる」という点だと思います。「壁の正体は物語的に特に重要でない」と見る向きもあるようですが、自分はそうは思いません。例えば「みうの父親の行方」など、登場人物自身が特に気にしていないような事柄なら(視聴者は気になっていても)作中で明らかにする必要はないでしょう。しかし、壁の正体やその強力な力には作中一貫して登場人物たちが大いに関心をもっていたはずで、視聴者としても当然明らかにされるものと思っていただけに、それが最後まで謎のまま、むしろ謎が増えた状態で続編の兆しもなく終わるというのは物語としてかなりの大失点だと感じました。
他にも藤間桜の「一年という期限」の件、及び戸田ジュンの指の包帯の件も回収されていません。製作者の方には是非続編をやってこれらもきちんと掘り下げてほしいと思います。
全体のストーリー以外では、メンバー個人に焦点を当てた話が8人分あり、これらは概ねベタな展開ながらまずまず良かったのではないでしょうか。特に戸田ジュン回の7話は他の方も高く評価していると思います。
作画は序盤や中盤の所々(7,9話あたり)は非常に高いクオリティでしたが、終盤10話以降コロナウイルスの影響なのか失速した感が否めません。特に最終話の見せ場であるステージ上での作画が酷かったです。
全体を通して、光る部分とまずい部分の落差が激しいという印象です。自分はこのアニメで22/7を知り、計算中も見るようになるくらいに好きになりましたが、それは結局「キャラを好きになれた」ということなのだと思っています。今後続編がないのであれば、アニメ作品としては駄作だと言わなければなりません。