kazz さんの感想・評価
3.8
物語 : 4.0
作画 : 3.5
声優 : 3.5
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
仇敵の危機を救う敗北者
ジオン軍新兵器の評価試験を専らとする603技術試験隊に配属された技官の主人公の目を通して歴史に置き去りにされゆく人や物の終わりを描いた作品です。
本作の登場兵器がヨルムンガンド、ヒルドルブ、ヅダとそれぞれMS(ザク)に歴史を譲る大砲、戦車、MSという流れなのが面白いです。
お気に入りは第3話「軌道上に幻影は疾る(ヅダの回)」
オデッサが陥落して地球から上がってきた無数のHLVを、603試験隊が評価試験中のヅダを利用して連邦宇宙軍を迎撃しつつ救助するシーンです。HLVから出て宇宙空間で溺れる陸戦型ザクをヅダが手を取り支えてヨーツンヘイムへ誘導する様子は何度見ても込み上げて来るものがあります。
かつてはザクとジオン軍主力兵器の座を争って敗北したあのヅダがザクを救う。たとえ歴史に埋もれて忘れられるとしても今を生きるんだ。っていうメッセージを感じました。
兵器そのものの儚さを主題とした数少ないガンダム作品、ガンダムとしては亜流も亜流なのですが、こういうのもありますよっていう事は後世に伝えていきたいですね。
そう言えば、本作って松戸のガンダムミュージアムっていう所で上映されてて、あそこには他にもザクの兵器工廠とか原寸大ガンダムがあったりしました。
お土産のジオン軍旗のスカーフを買ったのは良い思い出です。
原寸大ガンダムの胸像ってどうなったのかな?と気になって調べたら栃木県のおもちゃのまちに移されたんですね。何でも富野御台初の立体作品もあるとか…。ぜひ行ってみたいところです。