でこぽん さんの感想・評価
4.5
物語 : 4.5
作画 : 4.5
声優 : 4.5
音楽 : 4.5
キャラ : 4.5
状態:観終わった
少年ジャンプらしくないが優れた作品
この物語は、生きるために水面下であがき続ける子供たちを描いています。
原作は少年ジャンプです。
ジャンプと言えば、努力、友情、勝利
汗をかきながら、血を流しながら懸命に戦う姿を想像します。
でも、この物語は、どちらかと言えば頭脳戦。
いかに相手の裏をかくか、それが勝負の分かれ目です。
と、いうよりも、裏をかかなければ、即出荷となります。
この物語で 出荷というのは死を意味します。
子供たちが暮らすこの場所は、実は農場。
子供たちの脳を食べる鬼のために、孤児が飼育されている農場でした。
主人公は元気で明るい女の子のエマ。
これも少年ジャンプらしからぬ配役です。
ある日エマと親友のノーマンは、ふとした偶然から、ここが農場で自分たちが食べられる運命にあることを知ります。
そして、その日からエマたちは、生きるために脱出の準備をするのです。
それも施設の院長であるママに知られないように、暗黙裡に行います。
成功する可能性など殆ど無いけど、諦めたら死を待つばかり。
だからエマは、水面下で懸命にあがき続けます。
おそらく、エマ一人だけだと、何もできなかったでしょう。
でも、エマには親友のノーマンやレイがいる。そして、エマを慕ってくれるたくさんの友達がいる。
だからエマは頑張ることができました。
やはり、この物語は、ジャンプの基本である「努力、友情、勝利」に沿った内容のようです。
ところで、
私たちは、表面に見えるものだけで判断してしまうことがよくあります。
例えば、秀才とよばれる人が水面下でどれほど努力しているのかを知ることなく、羨ましがったり…。
以前、私は、毎回素晴らしいレビュ―を書かれるキャッチさんに、「どうしてそんな美しい語彙が次から次に思い浮かぶのですか?」と、尋ねたことがあります。
するとその方が言うには、
「連想類語辞典:日本語シソーラス」で一語一語を調査して、その状況に応じた適切な言葉を使われるとのことでした。
ときには、単語一つで100の表現を熟考し、仮り組みし、すこしずつ練り上げていかれるそうです。
納得できる1行を書くのに、数時間かかることもあるとのこと。
私も実際に試してみましたが、とても根気のいる作業だと体感しました。
そして、この方が素晴らしい努力家だとわかりました。
私たちも、生きるために懸命にあがき続けましょう。