タック二階堂 さんの感想・評価
3.5
物語 : 4.0
作画 : 3.0
声優 : 3.5
音楽 : 3.5
キャラ : 3.5
状態:観終わった
遠き山に日は落ちて…
詳細は公式でも。
原作は、ホラー・ミステリー作家である貴志祐介氏
の同名小説。氏の『黒い家』は読んだことあります。
1000年後の日本・茨城。
人口6,000人ほどの街・神栖66町の呪力を学ぶため
上級学校「全人学級」に、メインヒロインの早季が
編入され、幼馴染の瞬、真理亜、覚に守と麗子と
いう5人で一班が編成されます。
ところが、ある日、呪力に劣る麗子が行方不明に。
こういった生徒が行方不明になるという事件は
相次いでおり、ネコダマシという怪物に連れ去られ
ているという噂が……。
という導入です。
2クール25話ですが、構成は基本的に
・12歳時代
・14歳時代
・26歳時代
の3部構成となっています。
それぞれの部で、何が起こったかは観てのお楽しみ
ということで。
長いので畳むとしますか。
{netabare}
ブロックごとに分かれているので、観やすいといえば
観やすいのですが、唐突に時代が飛ぶので、少し
面食らうかもしれません。
特に12歳編から14歳編に飛んだときは「???」と
なりました。いきなり、ガチホモとガチユリ展開で
いったい何を見せられているんだ状態に。
その点、14歳編から26歳編へはスムーズでした。
が、いきなりバケネズミ同士の戦争という、これまた
何を見せられているんだ状態は変わらずw
んーっと、とにかく早季のキャラクターが全然
つかめない。自分だけ呪力の発現が遅く、どちらか
というとおとなしめで優等生タイプと思いきや、
覚といっつもケンカとか、怖がりな感じを出す
のに、ミノシロモドキを捕まえたときは「クダを
全部引っこ抜いてやる」と言ってみたり。
後半も、けっこう無鉄砲に突き進むわりには、
すぐに「やっぱり引き返しましょうよ」とか尻込み
したり、とある作戦を奇狼丸に持ちかけられた
とき「私たちをおとりにしようというの?」と
激昂したくせに、悪鬼との最終決戦では、なんと
奇狼丸を盾にして殺させることで悪鬼を倒すと
いう、ひどい作戦を立案します。
で、まあ、こういう作品ではお約束の、強い
敵に対して「気づいていないだけじゃないの?
チャンスは有るはず」という“戦いたくない”
系の主人公だったりするわけで。
ていうか、悪鬼は真理亜と守の娘だったけど、
じゃあ2人はどうなったの?
とはいえ、さすがは小説家の原作。
ストーリーの骨子はしっかりしていて、世界観も
きちんと描かれていました。
早季の「季」の字が長女には付けられないという
ことから、自分には姉がいて、処分されて
しまったことに気づくというエピソードは、
さすが小説家ならではと思いました。
とはいえ、これ、変な話「あの花」よりも後の
作品なんですよ。A-1 Picturesどうしちゃった
の? というぐらい作画がひどいです。
まあ、話が進むにつれて好転していくので、
少し安心しましたが、序盤は本当にひどかった
です。
早季のCVは種田梨沙さん。熱のこもった演技
が達者なのですが、ちょっと演技が大きい感じ
ですね。ここで、そんな大声出す? という
シーンもちらほら。まあ、これはディレク
ションの問題でしょうかね。
まあ、スッキリ片付く話ではあるのですが、
12歳編の、未来の町の得体の知れない風習と
いった雰囲気からの、14歳編の切ないガチユリ
純愛ストーリーからの、26歳編は単なるドタバタ
冒険ハダカデバネズミバトルという感じで、
なんともスケール感が転げ落ちたような印象を
受けました。
でも、おもしろい話ではあります。
平均点は大きく超えている佳作ですね。
{/netabare}