HAKU さんの感想・評価
4.6
物語 : 4.0
作画 : 5.0
声優 : 4.5
音楽 : 5.0
キャラ : 4.5
状態:観終わった
もっとじっくり!
設定もキャラも音楽も、自分好みの作品でした!
無名と鰍(かじか)は可愛いし、菖蒲お嬢様の親鍵を取り出す時の描写は艶めかしいです。
主人公も無力だけど研究の末戦う術を見つけ出し、カバネリになることで強い身体と飲み込みの早さを手に入れたことで前線で戦うことができるようになります。
きっと、色々と考え続けてきた人なので、その後の戦術立案でも、大いに役立っているのではないでしょうか。(これは良く捉えすぎかもですが)
音楽も澤野弘之さんが担当しており、盛り上げ方がすごいですね!
かっこよくて、感動できて、最高でした!
ただ、オリジナルアニメということもあり、粗さが目立つ作品だというのが難点です。
カバネの設定について。
カバネがどこで発生したのかは分かりませんが、他のゾンビ映画と同様に噛まれたらカバネになるようです。
ただ、カバネウイルスが脳にいかなければ脳までは浸食されず、カバネリになることができるようです。
カバネになると、吸血衝動が止められず、人間を攻撃し、血を食らうという化け物になってしまいます。
{netabare}そこで疑問となるのは、カバネリになった主人公が血を使ってカバネを誘導する場面です。
それが有効なら、カバネ同士で共食いをするのではないかと思うのです。
カバネリは特別と言われればそれまでですが・・・。
また、美馬様が人工的にカバネ化、カバネリ化を可能としていることから、研究はある程度進んでおり、完治とは言わないまでも、ある程度の治療は可能だろうし、可能になっていくのだろうと思うのですが、そこについての指摘もないので、美馬様を有能な悪役にするためだけの設定だったのかなと落胆してしまいます。{/netabare}
次に、貫き筒。
以前の武器と違うのは威力だと思います。
でも、元来の銃でもカバネを倒すことができているのです。
現実的と言えばそうですが、せっかくの主人公の特筆すべき発明なのだとしたら、もう一捻りほしかったと思います。
そして、なんといってもストーリー構成。
オリジナルアニメということ、1クールということで、ストーリー構成に粗さが目立ったのだと思います。
問題を解決していくことで成長なり人間関係を構築していくのは分かりますが、問題を起こすのが早いと思うし、起こってからも悪化も早いです。
{netabare}無名が利用されるのも、もっと上手くできないのかなと思います。
あれを見てしまうと、無名馬鹿やん・・・って思ってしまいます。
もっと苦悩する場面だったり、人間関係を築くことだったり、じっくり悪の手が忍び寄ってくる感じだったりを描けたらよかったと思います。
美馬様の件は特に早足過ぎて、観ていて唖然としていました。
美馬様は今まで周到に準備してきたのだから、計画を実行するにしても、もっと周到に実行するべきだと思うはずなのに、主人公たちと合流してからの加速する悪事はいただけません。{/netabare}
・・・・と、悪いところを長々と書いてしまいましたが、この作品はそれだけ惜しい!ってことです。
僕はカバネリ好きですし、惜しい!もったいない!と思うから、悪いことも書きました。
でも、それを補って余りある勢いであったり、作画であったり、音楽であったりがありました。
でも、せっかくだったら2クールにして、もう1駅くらい増やして(映画部分でもいいかも?)、じっくり作ってもらえたら、もっともっと良作に化けていたと思います。
オリジナルアニメだから、なかなか2クールで行こうというのは難しいとは思いますが・・・。
荒削りではありますが、応援したくなる作品です。
結末も、僕好みでした!