ふぁんた さんの感想・評価
4.5
物語 : 4.5
作画 : 5.0
声優 : 4.5
音楽 : 4.0
キャラ : 4.5
状態:観終わった
儚い乙女の愛情と友情のあいだ
非常にまばゆく儚い作品です。
こんな感情を持ちながら日々を過ごすようなことは、
おそらくこの年代にしかないのではないかと思います。
17歳くらいの一番どちらとも言えないーそんな乙女達の心のゆらぎを非常に美しく繊細に表現した作品です。
うーん、この物語を劇場版で発表した京アニには拍手とともに驚きを感じます。
物語はユーフォのサブキャラをメインとして、非常に静かで丁寧に2人の心の動きを「リズと青い鳥」の物語になぞらえながら綴っています。
いわゆる劇場版にあるような派手な笑いあり涙ありではなく、
違う言い方をすれば少し起伏に乏しいお話を非常に繊細で、過剰な演出もなく、
それながら視聴後だいぶ持っていかれるような不思議な作品です。
絵本の場面の少し水彩画っぽい表現、めちゃくちゃ表現が深く、作品の世界観をいくつも重厚にしています。
そしてTV版とは少し違う輪郭線と色彩。
線がとても繊細に表現されており、トーンが少し淡くなっていることとあいまって、
この年頃の危うさというか、一瞬で過ぎてしまう青春の儚さを感じました。
シリーズ通して、尋常ではない背景と作画の美しさ。
構図の大胆さ、キャラの表情の演出、セリフに対する小物の扱い、光の表現など卓越した技量を感じる画面で、派手なストーリーと演出はありませんが、場面場面がかなり挑戦的でありながらも、逸脱し過ぎない絶妙なバランスを保っています。
ストーリーは物語にありがちな御都合主義ではなく、
お互い何かに気づき自分を見つめ直し、どう友と関わっていくか、
自分の未来をどう選択していくか。。。
劇場版としてはとても静かな作品ですが、高校生の難しい心と受験という現実を丁寧に描いている作品です。
友人関係や進路に悩んでる方には、ぜひ見て欲しいアニメです。
大人になるとここまで感情と情熱をぶつけ合わせることができる友人なんて、
新しく作ることは出来ませんからね、、、。
本作のみでも問題なく見れますが、とはいえユーフォ1,2期を視聴していた方がキャラにさらに寄り添えるのでTV版を先に見てからの視聴がオススメです。