退会済のユーザー さんの感想・評価
4.7
物語 : 5.0
作画 : 5.0
声優 : 4.0
音楽 : 5.0
キャラ : 4.5
状態:観終わった
表現の可能性を高めた作品(470)
物語 291/300点
記憶を失った主人公が、自分の存在を知るお話。そのため、様々な人との出会いや別れ(1話完結型)と自分の正体を追う話(大筋型)が掛け合わさったような構成になっている。記憶チップの移動が可能な設定上、キャラの把握がかなり困難だが、1周すれば大抵のことは分かるように上手く作られている。2周するとさらに分かる。
キャラ 44/50点
二巡すると意外とバニラが良い奴に見えてくる。
作画 48/50点
時代を遡行したかのような作画。若干手塚治虫の作風とも似ている。この作画とキャラの外見でコミカルっぽく見えるが、悲哀の心情描写にも支障がない、良い作風である。
声優 42/50点
音楽 45/50点
挿入歌の全てが神がかっている。特にplanet,the tree songは伝説級。流れるタイミングが良いのも要因だと思う。
総評 470/500点
アニメにおける表現の可能性を広げてくれた作品。様々なテーマを取り扱い、それでいて大筋も立っている。テーマ性が深いため視聴者に与えてくる影響が大きく、最早娯楽の域を超えている。万人受けこそしないが、刺さる人にはぶっ刺さる作品だろう。
p.s. 二巡目後。一巡目は世界観や、バラバラの時系列を組み立てるのに時間がかかる。視聴後はあたかも全て理解しきったかのように感じるが、全くそんなことは無かった。
特に本作は、二巡目だからこそ気付くことが多々ある。多くのアニメは視聴者へのメタ的な説明が入るが、カイバにはそれが無い。どちらの方式が面白いかはともかく、カイバはメタ的説明がなかったことで、二巡目により理解が深まる。二巡目にしてようやく伏線の巧妙さに感服し、緻密な設定の下で作られたことが分かる。
テーマ性、伏線、テンポ、どれを取っても非常に完成度の高い名作。