さえぽん さんの感想・評価
2.5
物語 : 1.0
作画 : 2.5
声優 : 4.0
音楽 : 3.0
キャラ : 2.0
状態:観終わった
今更ながらにレビューしてみます。
毎回冒頭に書いてる事ですが、私のレビューは超辛口です。
不快な方もいると思われますのでこの作品が好きな方はレビューを見るのを辞められた方が良いと思われます。
最初にまず言いたい事が、この作品はSAOと同じ様に男性と女性でかなり評価点に違いが出ると思いました。
誰が好きでも一生懸命頑張るスバルが好き、というある意味病的なレムというキャラクターに萌えてしまった、レム萌えしてしまった人には最高の作品だと思います。
しかし私この作品の大部分を楽しめませんでした。
スバルの鬱回ですが大体7話分くらいあってかなり酷い描写が続きます。
確かに精神的に病んでしまった人をリアルに描いているのかもしれませんが、それが作品として面白いのかという点では別問題です。
これは宮崎駿の手法と、息子の宮崎吾朗の手法が真逆である部分とかなり共通してます。
宮崎駿氏は、朝早起きして、朝だと言わんばかりに木製のドアをバン!!と勢いよく開き、美味しそうな卵焼きやトーストの朝食を描いて美味しそうに食べ、爽やかに「行ってきま~す!」と出かけるような、素敵だなと思わせる表現を描くのが好きだったりします。
初期のジブリ作品ではそういう駿氏の素敵な表現に魅了された人が多いんじゃないかと思います。
しかし息子の吾郎氏はそういう表現に対して「こんな生活ってリアルじゃないよね」と発言しており朝は眠くて辛いもの、という認識だそうで、彼が手掛けたコクリコの坂では、ある登場人物がありえないほど乱雑に散らかった汚い部屋の中でノソノソと起きて朝を迎えるというシーンを描いていたりします。
確かにこちらの方がリアルな描写ではあると思います。
しかしクリエイターとして駿氏が超一流であると評価され、吾郎氏が三流であると評価されているのは、作品を見た人間がそれに魅了されるかという点にあります。
リアルである事象をそのままアニメでリアルに描いてもそれが面白さに繋がるという事はないからです。
話を戻してスバルの鬱回になりますが、精神的に落ちきった人の心理描写を描くことには成功してると思いますが、あの7話ほどある鬱回を見て面白いと思う人が何人居たかという話になります。
この作品は話題になってる割に評価が上がらないのはそういう点があると思います。
レムに萌えてしまった人は何が何でもこの作品を神作品にしたいんでしょうけど、女子から見るとスバルはクズな男にしか見えないです。
あれほどエミリアたんエミリアたん言ってた男が、精神的に参ってしまったからとレムに鞍替えしましたね。うつ状態のまま全てを捨ててレムに俺と逃げて一緒に暮らそうと告白します。しかし「私はエミリアたんを思って努力して前向きに頑張ってるスバルが好き」と言われたからと立ち直った途端「やっぱり俺はレムじゃなくてエミリアたんだ!!」と立ち直ります。
正直色んなアニメを見てきましたけどトップレベルで不快なクズ主人公という感想しか持てなかったです。
レムに萌えてしまった男性にとっては素晴らしい作品なんでしょうけど、そうじゃない人にとってはかなり微妙な評価になる作品だと思います。
私が名作と評価する作品は周回できる面白さがあるかどうがという点ですが、まず1週でお腹いっぱいというか、一回食べてしまっただけで胸焼けしてしまったのでこの店には二度と食べに来ないという印象を受けた作品ですので微妙な評価となりました。