プラ さんの感想・評価
3.2
物語 : 3.5
作画 : 3.0
声優 : 2.5
音楽 : 3.5
キャラ : 3.5
状態:観終わった
怪異-アヤカシ-とは、人間の欲深さを戒める存在なのだろう。
主人公は、ミステリアスな雰囲気を漂わせる女性・壱原侑子と、怪異が見える特異体質を持つ高校生・四月一日君尋(四月一日と書いて、ワタヌキと読む)。
ある日、学校の帰りに四月一日はとある店に迷い込む。そこは「なんでも願いをかなえてくれる店-ミセ-」とミセの主である侑子は言う。そして、願いをかなえるかわりに対価をいただくという。願いは何かと聞かれた四月一日は、怪異が見えることによる不幸がイヤだということを思い浮かべたが、それを言う前に侑子に言い当てられてしまう。怪異とうまく付き合っていく方法を教えるかわりに、その対価として(ほぼ強制的に)ミセでバイトすることになる。
ミセにはいろいろな人が"惹きつけられて"やってくる。やってくる客たちは偶然ミセに入ったと口々に言うが、それに対して侑子は「偶然なんかじゃない。あるのは、必然だけ」と諭すように言う。虚言癖・浮気性・強欲といった自分の悪いクセや欲深い人だけでなく、時には人殺しの記憶の消去のお願いをする人までやってきた。願いに対して、それに見合った対価を払うことになる。人殺しの記憶を消すように頼んだ人間の対価は、これから一生あらゆる映像・写真にいっさい映ってはいけないというものだった。要するに、願い=罪・対価=代償という構図であり、ミセにやってくるという行為は報いを受ける時期になったことを示しているのであろう。
古くからの言い伝えや都市伝説として広まる怪異は、人間の"欲望"を抑制し、将来的に報いを受けることを防ぐものなのだろう。もちろん、中には言霊のようにポジティブな側面を持つ怪異もいるが、ほとんどが悪さをする怪異である。ただ、怪異は人間の欲深さが生み出してしまったバケモノであり、生んでしまった人間はうまく付き合っていかなければいけないのである。
さて、最初から最後までミステリアスな雰囲気の中で物語は進んでいく。しかし、物語の核心は最後まで語られなかったと思う。
・ミセができた経緯は?いつから存在していた?
・侑子は人間なのか?もしかして、四月一日も人間ではないのか??
・四月一日という日付に特別な意味はあるのか?
・四月一日に怪異が見える理由は?
・ひまわりと百目鬼の役割は?
・侑子の長期出張はいったいどこへ?
最後まで謎だらけ。でも、謎深きところがこのアニメのミソでもある。今後ちょっとずつ語られていくのか、続編が(あれば)楽しみである。