佐藤くん さんの感想・評価
3.5
物語 : 2.5
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 3.5
キャラ : 3.5
状態:観終わった
15話までは良作、そっからはグレンラガンの劣化パクリ
本作は惜しい作品です。trigger、A-1 Picturesという人気アニメ会社の共同制作、「エヴァンゲリオン」「トップをねらえ2!」などの有名スタッフが名を連ね、2クールという最近のオリジナルでは珍しい長尺と期待値は非常に高かった。更には巨大ロボ、世界の危機、ミステリアスでちょっとエッチなヒロインと属性てんこ盛りで考察要素もあるいかにも面白そうなアニメです。
しかし、だからこそ私は15話以降の展開に落胆せざるを得ませんでした。ガイナックス制作の名作「天元突破グレンラガン」を見たことがある人ならそのストーリーがほぼ丸パクリである事が分かるでしょう。triggerはガイナックスからの独立会社なので、オマージュという線もありますし、実際スタッフにも同じ人が居ますが、完全に劣化版でしかないためただただ不快です。
また本作のテーマとして思春期の心の動きも重要なテーマです。戦うためだけに生み出された彼らは大人から隔絶され、情報統制された中でもお互いの関係性から少しずつながら次第に成長していく…そう思っていた時期が私にもありました。実際にはそもそも仲の悪くなかった彼らに不和が生まれ、成長するのかと思えばそういうわけでもない。特に性差の問題に深く切り込みを入れそうだった(そういう伏線が多数あった)イクノは殆ど触れられないまま終わったのは今でも許せません。とにかく無駄なキャラクターが多く(9'sとか何だったんだ…)無駄な話が多い(思わせぶりなだけの伏線を張る)のが目に余ります。
そろそろ褒めるべきところを挙げましょう。
第一にキャラが可愛いです。作画が良いのもありますしキャラデザも相まって非常に魅力的です。特に負けヒロイン好きの私的にイチゴは最高でした。
第二に13話は名作と言っても良いです。演出や今まで積み上げてきた伏線もあって割と感動できます。恐らく他の厳しい意見の人も13話は評価しているでしょう。
第三にロボアニメであることです。近年ガンダムくらいしかロボアニメが無いので、ジャンル自体を活性化する目的としてもロボアニメを作るのは良い試みだと言えます。(褒めるとこそんなのでいいのか)
総括です。私が本作に辛口な理由は素晴らしいスタッフが多数いるにも関わらず、名作のパッチワークでしかなかった事にあります。あまり多くアニメを見ていない人なら楽しめるかも知れませんが、大抵どっかで見た展開の連続、ウケを狙っただけの駄作という評価になるのは仕方がないかと。期待値が高かったのも要因の一つでしょう。せめて、15話をラストに持ってきて、1クールで収めれば名作程度には慣れたかも知れません。