ちょま さんの感想・評価
3.0
物語 : 2.5
作画 : 3.0
声優 : 2.5
音楽 : 3.5
キャラ : 3.5
状態:観終わった
なろう系やないかい!
なろう系作品の主流の一つに「こことは違う異世界に飛ばされる」「そこで冒険する」「自分の知識が異世界では無い知識のため無双できる・自分の力が異世界ではチートレベルだったため無双できる」「みんなに褒められる」という【報われるかもわからない努力は嫌。楽してマウント取らせて】系があるわけだけど、けもフレもほぼそういう作りだったのは正直「社会現象になったくらいのアニメだからどんなものなんだろ」というワクワクを裏切られた気分でがっかり。
何やっても「スゴーイ!」って…確か当時からこのタイプのなろう系が流行りだしていて、そういう意味ではなおさらヒットは必然だったのかも。日本人、疲れてるんだなぁ…
と思う一方で「上手くまとめたなぁ」と感心。
登場キャラは動物の擬人化のため習性は動物そのもの。だから主人公カバンちゃんの人間の思考に驚かされそれを褒めまくるわけだけど、これがただのなろう系であれば主役を立てるために周りのIQを低くしてるのが気持ち悪く感じるだけ。けもフレは動物:人間という種族からの違いをもたせるからこそ成り立つ妙。
主人公も素直に周りに感心し、鋭い爪も空を飛ぶ翼もないけれど、だからこそ自分にできることで冒険に貢献していくので嫌味がない。
怯えてばかりだった主人公が成長していくのは王道で外れなし。
いやほんとなろう系でもうまく作ればこうなるんだなぁ。
物語も「自分の記憶探しの道中で様々なフレンズと出会いトラブルを解決していく」という単純明快で構えずゆったり見れる安心感。多分設定とか色々あると思うけどキャラの関係性と成長に焦点を当ててるあたり取捨選択もすごいと思った。小さい子供でも楽しめるくらい分かりやすく道徳的なお話でありながら、なろう系に近い要素もあり、考察の余地を残した世界観、キャラの可愛さにも惹かれ癒やされるというあらゆる層に対応したスキのないアニメだった。
…と、アニメの作り自体には感心したけどそれでもやっぱり自分は「カバンちゃん無双」感をちょっと感じてしまい肌には合わなかったかなぁ。ま、若年層向けならアニメ漫画なんて主人公万歳してなんぼだけど