はな さんの感想・評価
2.5
物語 : 2.0
作画 : 3.5
声優 : 2.5
音楽 : 3.0
キャラ : 1.5
状態:今観てる
6話まで 冒険せず、夢に向かわず、闘わない作品
6話まで視聴
ここまででお話が何を軸にしていて、どこかに進んでいるかがわからない。
主人公の成長、獣化の謎、差別と格差に溢れた厳しい社会への対峙、敵やライバルとの戦い そう言ったものがない。
主人公に期待できず面白みを覚えづらい。
みちるは気の毒な身の上によってアニマシティへ逃げてきたが、3話も過ぎると居着いてから謎の探究や自立へ向かっている様がなく、丁寧に描かれる獣人社会での尻の座りをのんびり確かめているだけ。
視野が狭く思い込みが激しくても、目の前で繰り広げられる理不尽に猪突猛進する姿勢によって、各話ごとに起伏に飛んだ展開していくが、その結果がどこにもオチてない。これおもしろいかな、と思う。
みちるの身の振り方だけで言えば、アニマシティにいつくか人間社会に戻るかが話の終着点だろう。
ただそれまでにみちるは獣化や社会、かつての友達や新しい仲間について答えを見つるのだろうが、もう少し立ち上がって欲しい。彼女の周りでなんとなくバタバタして、場当たり的にキレたり吹っ切れたりしていくキャラクターに魅力は覚えない。彼女自身自分がどうなるかを考えずに話を半分使ってしまった。これが学園や日常モノなら分かるがそうではないので、違和感が募る。
いっそ士郎が主人公でみちるがヒロインならば、彼がアニマシティに思う問題点や鬱屈感を、彼女が悩みながらも出す答えによって照らしていくような、分かりやすく胸のすくような話になるのでは思ってしまう。
そこをみちるが主人公であることで何が描かれていて、何がおもしろいのかを、いま現在見失ってしまった。
一方ビジュアルはすごい。
荒んだり近未来でサイケな雰囲気や感情を映す彩色や、大胆で躍動感にあふれる作画や構成はきっと素晴らしいと思う。
ポップで可愛らしい絵柄でも、夜の路地裏やスラムは埃たち足の踏み入れがたくみえるし、ビビットで暗い印象のシーンの後に、自宅の朝の柔らかいトーンの画面が映るとほっとする。回想シーンはキラキラした過去の彼女たちが眩しくはかない哀しさを覚えた。
せっかくここまでの演出が随所にあるのに、話が全部ボケていると言う感想になってしまったのが残念。
どうか勘違いであると思いたいために、最終話まで視聴を続けたい。