ウェスタンガール さんの感想・評価
3.9
物語 : 3.5
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
兵器の心
“最終兵器彼女”の外伝である。
観終わったときは、これって作る必要あったのかな、というのが正直な感想であった。
監督は同じく加瀬充子氏、サンライズの申し子であり、より彼女のカラーが出ているように感じる。
主人公はミズキ中佐、本編でのモテ男、元部下である“テツ”に恋心を持っている。
彼女は最前線で指揮する部隊を失っている。
自らも重傷を負ったため、退役を余儀なくされるも、無くした部下への負い目から、人間兵器のプロトタイプとなることを志願するわけだ。
ベタである。
だがしかしである。
原作が、兵器以上の別物に変容してゆく“チセ”の悲劇を、人間性を失って行く中での苦悩を描いていたのに対し、今作の“ミズキ”は、あくまで人間として完結してゆくことに主眼が置かれている。
ここに、アナザーストーリーとしての存在理由を感じた。
そして、昔読んだとある漫画を思い出したのだ。
永井豪の短編、“真夜中の戦士”である。
心を持った兵器たちのお話、彼らに闘う理由など知る由もなく、存在理由に忠実であろうとする。
今読むとどうかわからないが、多感な当時、ミサイル男の台詞に、やたらと感動したことを覚えている。
そんな訳で、郷愁も手伝って、この作品を評価する。
ご存じのない方は是非読んでみてほしい。(どこで読めるのかな?)
そんな時、一つのニュースが飛び込んできた。
イッツ・ア・ソニーである。
イメージセンサーにAI処理機能を搭載した、世界初の「インテリジェントビジョンセンサー」を商品化とのこと。
動画を撮影しながら、対象物の高精度なリアルタイムトラッキングが可能となる。
インターネットに繋がらなくてもエッジ処理で完結する。
いわゆるスタンドアローンのAIドローン兵器、その可能性を示唆するものだ…。