HAKU さんの感想・評価
4.7
物語 : 4.5
作画 : 5.0
声優 : 4.5
音楽 : 4.5
キャラ : 5.0
状態:観終わった
悲しい過去・・・これからどう生きていくのか
本作はいわゆる主人公による復讐劇でしょうか。
ゴブリンに姉を殺されて、それを見ていることしかできなかった主人公。
そんな思いはもうしたくないし、させたくないと考え、技術を磨き、ゴブリンを殺すことに執着するのです。
幼馴染の子が健気で、ゴブリンに復讐心を燃やす主人公を陰ながら支え、自分のところに帰ってくるのを健気に待ちます。
そんな歪な関係というか、主人公の心の闇を解決していくきっかけとなる女の子が1話登場のヒロインです。
ひ弱だけれど、自分の思いを口にして、主人公との信頼関係を築いていきます。
何度も一緒にゴブリン退治をしていく中で、お互いのことを分かり合い、主人公の中でも他人に対しての興味が出てきたのではないでしょうか。
だからこその最終話で主人公が言うせりふが心にぐっとくるのです。
また、エルフの子が、ゴブリン退治は冒険じゃない、ちゃんと冒険に行かせてやる!と息巻いていましたが、そのことも主人公の心に揺さぶりをかけたのだと思います。
今までゴブリンのことだけを考えてきて、ゴブリンはどんな行動をするのか、ゴブリンを殺すためにはどうするか、その中で自分が生き残るためにはどうするか・・・その先に明確な未来はなかったのだと思います。
物語が進むにつれて、自分はどう生きていきたいのかを考えるようになります。
そして、最終話にして、 {netabare} 冒険者になりたい思いが強くなってきた {/netabare}ことを幼馴染に伝えます。
こうやって、ゆっくりではあるけれど、じっくりと心情描写をしていったからこその主人公の変化は観ていて心地よいものでした。
主人公がどんな人生を歩んでいくのか気になりますし、幸せになってほしいなと思います。
周りの人たちとのやりとりや、主人公に振り回される様子もとても愉快でした。
他の作品にはない雰囲気も相まって、続編をぜひ観たい作品です。
ただ、{netabare} 11話のギルドでのお願いの際。
制作者側が狙っていることは分かるのですが、ギルドの人たちがコロッと手のひらを返して、手助けをする様子は好きになりませんでした。
受付嬢の計らいで報酬が出るから多くの仲間が参加したってだけなら何も思わなかったのですが、報酬が出ると分かった途端、ゴブリンスレイヤーがいないと変な感じだとか、ギルドの名物だとか・・・恥ずかしげもなく言うのはな・・・と。
すぐに冒険者が手助けするようになったら受付嬢の出番はないので仕方ないと思いますが・・・。 {/netabare}
その場面以外は大好きな作品なので、ぜひまだ観ていない方は観ていただきたいです!