たわし(爆豪) さんの感想・評価
3.9
物語 : 3.5
作画 : 5.0
声優 : 3.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
「AKIRA」風近未来が舞台のバンドデシネのアニメ化
この作品は大友克洋の「AKIRA」を思い出すようなシーンが多くあり、原作はフランスのバンドデシネということなので、フランス漫画界の巨匠ジャンジローメビウスから大友克洋に渡り、そしてまたフランスの漫画に帰ってくるといったかんじで、フランス人が如何に日本人と同じくらいオタクが多い(アメリカも多いが)かがわかります。
。。。。というか、フランスには芸術に対する支援制度(奨学金や資金援助をする法律)等があって、日本のように「娯楽」であり「消費」されるもの以上の価値があると考えられているので、「オタク」が多いと言うより、「理解」があるということのほうが正解であり、だからこそそこまでヒットを見込めるような作品でなくとも予算が潤沢で、人も雇えると聞きます。
日本でも厚生労働省や文部科学省からの助成金でアニメを作ったりしますが、アニメーターや作家「個人」を支援する制度などはまだまだで、いかに日本がお役所仕事なのかがわかると思います。
さて。。話がそれましたが、この「ムタフカズ」はフランスが舞台ではなく、ギャングやマフィア、売春婦、スラム街が存在する南米の「メキシコ」が舞台であり、非常にえぐい描写や汚い描写が多いので人を選ぶと思いますが、大友克洋の「AKIRA」のオマージュとして考えれば、そこまで拒否反応が出ないと思います。
そういう意味では、非常に可愛らしいキャラクターとは裏腹に内容は殺伐としていますが、現実の社会はそんなものであり、それはアメリカ映画やフランス映画などでも社会派な物を観ればわかりますよね?
ただ、やっぱり少し既視感とアイデア不足な感じがしました。