えりりん908 さんの感想・評価
4.5
物語 : 4.5
作画 : 4.5
声優 : 4.5
音楽 : 4.5
キャラ : 4.5
状態:観終わった
死に続ける人々の群像劇と、死なない男の狂気感の対比。凄くゾクゾクします。
お話自体は、
木村拓哉さん主演の実写版を観て知ってまして、
当時は「うわっ、やっばいの観に来ちゃった((((;゚Д゚))))」って感じで、
映画館で固まってしまったのですが、
今ではすっかり成長してww、
残酷描写ウェルカム!体質になっちゃったので、
全然オッケーです!
で、この物語。
シンプルに面白いです。
登場人物のキャラデザインが、実写のときのような違和感が無くて、
声優さんもしっかりはまってて。
凛の復讐譚という側面はあるけど、
大事なのはそこじゃなくて、
死に続ける人々と、生き残り続ける万次の対比と、
暴力と凌辱、血と死。
その心と身体の痛さ・辛さだと思うから。
時代劇、とくに侍の話だと、
メインキャラ以外はすぐ死んじゃって、
特にモブキャラはなんでこんなに弱いの?ってぐらい簡単に死ぬけど、
実際は、斬り合いなんだから、
お互いダメージあるよねって思っちゃうのが、
そのまま作画に反映されてて、
しかも、ここがダークファンタジーの真骨頂なんだけど、
万次は、死ぬほど痛いのに、死ねない身体!
あの変な大量の凶器の束を着流しの何処に隠してんの?
って突っ込みも入れさせない、
激しく飛び散る血飛沫と腕や首。
人の業のあざとさや悲しさが体現されてるようで。
男は徹底的に狂気に支配されて。
女は徹底的に無下に蹂躙されて。
凛の、復讐のための道行きだった一部と、
逸刀流の顛末が描かれる三部はともに、
いつもエロスと暴力に満ちていて凄まじかった。
だけど、
江戸城中での、不死の実験が描かれる二部。
これが、地味に良かったんですよ!
医者がマッドサイエンティストに堕ちて狂っていく様子が、
うんざりするほど丹念に描かれていて。
ああ、人の狂気がここにあるんだって。
最終話、なんだか明るく爽やかにエンディングを迎えちゃったのが、
あれ?って感じでしたけど、
せめて余韻を引き摺らないようにっていう演出だったのかも知れませんね。
観る人を選ぶかも知れない作品でしたけど、
世界観と人物像を堪能できた作品でした。