ふぁんた さんの感想・評価
4.4
物語 : 4.5
作画 : 4.5
声優 : 5.0
音楽 : 3.5
キャラ : 4.5
状態:観終わった
神は少女を救うのか
原作未読、漫画は最初の数巻読んだところです。
非常に展開が早く、常に見せ場のある戦場が展開されるため息つく暇もない帝国の現状と合間って目が離せなくなる作品です。
いくつもの国と人物がかわるがわる登場するため状況を把握することにちょっと置いてけぼりを感じてしまいます。
戦場での戦闘場面以外ではターニャの主に作戦本部への工作や知能戦がうかがえ、決して幹部クラスではない、部下をもつ中間管理職の根回しの難しさと、実践になった時の実力でねじ伏せる爽快感を味わえます。
原作ありなので仕方がないでしょうが、異世界転生をさせる必要はあったのでしょうか。
視聴しながらずっとそのことは気にかかっていました。
特に現代から転生したアドバンテージが物語の重要なファクターになるわけではないですし、たまに物体Xが出てくるだけなので、そもそも幼女が軍隊で指揮官になる、魔導隊がいる世界観、たくさん出てくる国と戦役、それに伴う登場人物の多さ。そこに入れ子のように異世界転生と設定が山盛りすぎて消化しきれていませんでした。
いわゆる魔導があり戦争下の世界で、キリングマシーンとして育てられたターニャが、その境遇ゆえ神を呪いながらも、、、という世界観でよかったのではと思います。
やはりただのリーマンが転生して幼女という身体能力で劣るにも関わらず、無双しまくり俺つええになる理由が乏しすぎて、なろう系だなと感じます。
戦闘が派手で不利な場面が多いにも関わらず、あまり脱落者が出ず、結局ターニャが無双するので戦闘の緊迫感にかけていました。
ネームドの自軍の兵を素敵に描いて華々しく散らすなんてのもよかったのではと感じました。
現代人がいくら戦場とはいえ躊躇もなく人を殺して市民すら犠牲にすることに上からの命令であれば、、と非情になれることは違和感がありまくります。こういう場面も転生の必要性を疑いました。あのシーンはいくらゲリラになっているとはいえ殺されていく市民に対し涙が止まらなかったです。
後半になると派手な術式での殲滅がなかったこともちょっと不満です。
声優悠木碧さんの素晴らしい演技。
本当にターニャの底知れなさを感じることができました。ネジがぶっ飛んで時に冷徹で、時に謀略家で、たまに部下思いで士気を高揚させるターニャを素晴らしく演技されていました。特に部下を鼓舞させる出陣前の訓示はなかなか観てる私もオーっっと叫びたくなりますね。進撃を思い出すようなアツさです。
要素を盛り込みすぎてそれぞれの特長を演出しきれなかったことは残念ですが、それでもストーリーは面白く一気に観れるほど引き込まれてしまいます。
月やルルーシュに連なるダークヒーローな表情と冷徹さは非常によかったです。