ふぁんた さんの感想・評価
4.4
物語 : 4.5
作画 : 4.5
声優 : 4.5
音楽 : 4.0
キャラ : 4.5
状態:観終わった
旅路の先にあるものはー
もしかしたら観る人を選ぶ作品かもしれません。
原作が好きで読了後視聴しました。
いわゆるポスト・アポカリプスもので、
何事かが起きたであろう後の、
原作が纏っている倦怠感、退廃的な雰囲気を
美しく少しグレーがかった画面で見事に再現してくれました。
作画は終了まで崩れることがなく、
ゆるい線の世界をしっかりと表現してくれました。
くずれそうでくずれない上手い塩梅のゆるふわキャラは
非常に難しい絵だと感じますが、とてもしっかりゆるふわを描いてくれているので
二人の可愛さが最大限表現できています。
世界観も合間って、ゆるふわ少女や、
サブキャラたちが時に哲学的なことをさりげなく言うところは
なかなかなんだかこの物語がただのゆるふわ女子の旅物語ではない、
奥深さを彩ってくれています。
メイン声優二人水瀬いのりさんと、久保ユリカさんの演技は
二人の関係を素晴らしく彩ってくれます。
お二人とも聴いた瞬間にすごくしっくりしました。
水瀬さんの心配性でしょうがないなー系の気だるいチトの演技最高でした。
もうまさしくこの声!
久保さんのユーリはなんとなく魔女の宅急便のジジを思い起こさせるような、
楽天的で軽快な可愛らしい声でした。
ユーリの声もコレ!という感想です。
あとヌコも素晴らしくこんな感じで想像通り可愛かったです。
二人とも歌唱力は確かでop/ed挿入歌とても心地よいです。
OPの「動く、動く」はポップで可愛い歌で、しかも歌詞がすごく面白いです。
英語の歌詞パートを完全に日本語で歌っているので、
歌詞を見るまでは英語だとは思っていませんでした。
こんな遊び心素敵です。
「雨だれの歌」は劇中の雨音からedに入る美しい歌で非常に印象に残ります。
原作連載途中でアニメ化されたようなのでアニメは4巻までの内容です。
6巻のクライマックスは本当に素晴らしく、
最高の引きがあるエンディングなので是非最後まで映像化して欲しいと願っています。
エンディングはずっと一緒に二人と旅をしてきて、
色々なものと出会い、別れ、そして失い、、、
二人の旅路に寄り添ってきた読者だからこそ感動し、想いを馳せる最後です。
このシーンは二人の旅物語をさらに何段階も昇華しているので、
ぜひ原作漫画も手に取って欲しいです。
2019年の星雲賞コミック部門に選ばれた素晴らしい作品です。
※ちょっと修正しました