ワタ さんの感想・評価
4.1
物語 : 4.5
作画 : 4.0
声優 : 3.5
音楽 : 4.5
キャラ : 4.0
状態:観終わった
Will you kill someone you love, because of love?
この作品は「シナリオ構成」について、まず触れておかねばなりません。
実質的な物語のスタートは3話から。
2話で神楽と黄泉の対峙を見せて、二人の間に(というか黄泉に)何があったのかを
3話以降、じっくり描いていく。
後の展開が分かっているわけで、だからこそ二人の何気ない日常描写、
仲睦まじい姿を見ているだけで胸が締め付けられる。泣けてきます。
人の世に死の穢れを撒くものを退治するのが退魔師の使命。
そして「穢れを撒くもの」となってしまった黄泉。
「愛するものを、愛を信じて殺せるか」という本作のテーマが神楽に重くのしかかる・・・
本編と関係ない第1話に関して。アクションシーンは見応え十分で
何より、まさかのチーム全滅でこの先どうなってしまうのか?という
極上の釣りっぷりで話題を呼んだし、無音スタッフロールは何度見ても鳥肌が立つ。
黄泉の強さ・恐ろしさを見せつけるという意味でも
決して不要なエピソードではないと思います。
主演二人の声優の演技に、やや安定感を欠くところや
黒幕?の三途河にこれといった制裁がなかった点は不満。
しかし作画・演出・BGM等、総じてハイレベルであり
キャラの心情描写や、黄泉が堕ちていく過程にも無理がなく、
神楽と黄泉の絆を示す携帯電話やポッキーといった小道具の使い方も見事です。
OPEDも秀逸です。OPの入り方は毎回テンション上がりますね。
神楽と黄泉の二人の関係性に絞ったシナリオを手堅くまとめ切り、
悲劇性を存分に引き立てた意欲的な構成の作品。傑作だと思います。